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匂い
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陸「なあ」
樹「ん?」
陸「俺って、臭うか?」
樹「はあ?」
封の切れないままの泡立ったコーラを伏せ目がちに視界に入れながら呟く俺を、樹は怪訝そうに見た
樹「何だよ、臭いなんか気にしてんのか?」
純平「陸のくせに〜」
陸「くせにって何だよ」
600mlの大容量いちごミルクをガブガブと飲み干す純平
その横で、樹は探るような目でしばらく俺を見つめ、小さく息を吐いてから口を開いた
樹「別に、臭わねえけど」
樹は長い脚を組み直しながらペットボトルに口をつける
純平「陸も繊細なとこあるな〜女の子に何か言われたんか?」
陸「そんなんじゃねえよ」
からかい混じりに言う純平を軽く睨みつけ、臭いに気付かれていない事に心底安堵した
フェロモンには常時注意しているつもりだ
虎岩の言った『におい』が何のにおいだったのかは断定し兼ねるが
きっと大丈夫だ
少しぬるくなったコーラのキャップに手をかけ、反時計回りにゆっくりと回す
カチッと封の開く音と共に、プシュッと空気の漏れる音
少し溢れた泡をペロリと舐めとり、コーラを喉に流し込んだ
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