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危機
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部活動中、突き指をしたので氷袋をもらうため保健室へ向かった
練習中に怪我なんて、全く鍛錬が足りていない
不甲斐ないな
今日は校舎内で何度か、微かだが甘い香りを感じた
フェロモンを抑えきれていないΩがいるらしい
今だって、やけに鼻につく匂いが...
恭二郎「...!」
保健室まで残り数メートルというところで、突然強烈な匂いが鼻腔を刺激した
ドクリと心臓が鳴る
全神経がピリピリと緊張し、本能が匂いの方へと足を進めようとしていた
恭二郎「Ω......と、α」
発情したΩと、別のαの匂いを感じる
保健室の中か
学舎で盛るとは、破廉恥な…
今保健室へ入る事にはあまり気が進まないので、氷袋は諦めて戻ろうとも思った
だが
恭二郎「...この匂い」
覚えがあった
甘く、胸を高鳴らせる、それでいて落ち着くような
魅惑的な匂い
そこからは一瞬だった
迷いなく引き戸を開くと、深く息を吐き、高鳴る胸を抑えながら匂いの充満した部屋を真っ直ぐに進む
3番目のベッド
真っ白なカーテンを勢いよく引いた
想像した通りだった
いや、想像よりも、事態は軽微であった
高橋陸
胸までまくり上げられた体操服に、若干下にずれたズボンと下着
手のひらで口を覆われ、片手で首を締め付けられている
苦しそうな顔
目には涙が溜まっていた
ガシャン
俺は、何故か怒っていた
悪態を吐いて逃げるように出てゆく男を見送るでもなく、ベッドへ近づいた
歩み寄る俺をきつく睨みつけて拒絶する先輩
濃厚な匂いに、理性が吹き飛ばされてしまいそうだった
入学式、初めてこの人を見た時から
何か特別な匂いを感じていた
他の誰とも違う匂い
もっと近くで、とも考えたが、そういう訳にもいかなかった
俺はαだ
近づきすぎると、壊してしまう
恭二郎「.........だから言ったのに」
荒い呼吸に先輩の胴体が激しく上下する
Ωのフェロモンを至近距離から浴びて、俺は本当にどうにかなりそうだった
日々の鍛錬で精神力を鍛えているから、何とか理性を保っていられるが、気を抜くと今にもこの人を襲ってしまいそうな自分がいる
先輩の顔を見ないことでなんとか平常心を保ち、乱れた服を整えてやった
触れる度に先輩の体はピクリと緊張する
怯えている
恭二郎「怪我してないですか」
苦しそうな息遣い
耳、首元まで、赤く染まっている
発情期、辛いんだな
教科書で学んだものの、実際に見るのは初めてだ
恭二郎「...俺、用事済んだんで。もう行くんで」
これ以上側にいれば、理性を無くし兼ねない
本能とは恐ろしいものだ
結局最後まで先輩の顔を見れないまま、氷袋を片手に足早に保健室をあとにした
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