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αとΩ
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「えー、このようにhowを用いた感嘆文を〜、whatを使ったものにするには〜」
5限目、英語
担当は常時やる気の感じられない男性教員
英語の発音もあまり良くないと不評の先生だ
先生の気だるそうな解説を上の空に、ぼんやり窓から空を見上げる
腹の白い鳥が3羽じゃれるように飛んでいた
陸「(結局あいつ焼肉弁当5分で食ってたな)」
虎岩と昼食を共にした後、たわいも無い会話を楽しみ、チャイムの音と共に別れた
虎岩との会話を思い返す度に、未だ俺の胸の真ん中はじんわり熱を帯びるのだった
樹「陸……陸、陸!」
陸「え?」
俺の名を呼ぶ声にはっと我に返ると、クラス中の視線が俺に集まっていた
樹「指名されてるぞ、さっきから」
隣の席の樹が小声で言う
焦ってページを開くが、どのページのどこをどう指名されたのか全く検討がつかなかった
そんな俺を見て呆れたように、樹は自らのノートの1文をこっそり俺に指さして見せる
陸「え、えーと、what a nice…they are」
先生「はい、正解でーす、そうでーす、この場合はhowをwhat aに変換して〜」
先生はくるりと黒板へ向き、カツカツと音を立てて文章を書き始める
俺は深く息を吐き、呆れ顔の樹に向け両手を合わせてサンキュー、と口元を動かして見せた
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