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男子トーク
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「「「カンパーイ」」」
3つのグラスが軽やかに音を立ててぶつかる
注がれたコーラがシュワシュワと泡立ち、少しの飛沫が飛び散った
直後、ピンポン、とインターホンの音が部屋に響く
純平「お!ピザきた!」
純平がパッと顔を輝かせて立ち上がり玄関へ足早に向かう
その日、俺と樹、純平の3人は純平宅でささやかなホームパーティを開催していた
純平「イヒヒっ、大量大量〜」
樹「そんなに頼んだんかよ」
片手に2箱ずつ、計4箱ものピザを抱え、上機嫌で戻ってくる純平
陸「ちょ、俺あんま金に余裕ないんだけど」
純平「今日は俺のおごりだから!」
金の心配をする俺に、純平が得意げに言う
樹「おごりって、親の金だろーが」
純平「ウシシシ、ま、細かい事はいいから食おーぜ」
純平は樹の突っ込みに子供じみた笑顔で応え、重量のある箱をよいしょとテーブルへ降ろした
2人掛けの小さな食卓テーブルには、既にポテチやポップコーンが雑に開封されて並んでいる
それらを押しのけ、限りある面積にピザを敷き詰めるように並べた
4枚ものピザを受け止めるにはあまりに小さいそのテーブルの端からは箱がややはみ出してしまっていた
高校入学と同時に知り合った純平
両親は幼い頃に離婚し、今は母親と2人暮らしだと教えてくれた
母親はあまり家庭的とは言えない人で、純平曰く夜職で生計を立てているらしい
互いの生活時間が合わず、さらに普段から家を空けることの多い人なので親子で顔を合わせる事は稀だと、純平から聞いたことがある
月に1度、テーブルに封筒が置かれており、その中に入った2万円で純平は1ヶ月を過ごすそうだ
普段陽気に阿呆ばかり言っている純平の人知れぬ孤独を知った時、俺はどれほど甘やかされているのかと、己を恥じたものだった
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