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男子トーク
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純平「ん〜……むにゃむにゃ」
古い木造アパートの一室
四畳半の小さな部屋で、男3人が雑魚寝で転がっている
その後俺と樹は、翌日休みということで純平の部屋に泊まる事にしたのだった
純平「フフ……グー」
純平は夢でも見ているのか、俺の真横でもごもごと口を動かし、時折幸せそうに頬を緩める
対して樹は綺麗な寝相で規則正しく寝息をたてていた
俺は眠れなかった
二人の色恋事情を聞いて、妙に胸をつつかれるような感覚を味わっていた
きっと、羨ましかったのだと思う
普通に恋愛をして、普通に経験を積む彼ら
嫉妬していたのかもしれない
俺の恋愛対象は、女性だ
恋愛をした事はないが、ときめく相手はいつも女性だった
女性と普通の恋愛を、そう夢見た事も実際あった
けれど
Ωの俺が、女性を満足させられる自信がなかった
性的に興奮しペニスを刺激して射精しても、俺の身体は満足することは無い
腹の奥の、自分では決して届かない深い部分が刺激を求め、その度に俺は堪らなく切ない気持ちになって、どうしようもなく泣きたくなる
そんな情けない姿を相手には見せられない、見せたくないと、そう思っていた
実際、Ω性は一般的に劣性と見なされ、今でこそ理解を広めようという風潮が出来上がってきてはいるものの、未だに偏見を持つ者も少なくはない
仮に自分が積極的になったところで、Ω性の自分を選んでくれるような女性がいるとは思えない
普通の恋愛、普通のセックス
俺には縁のない話だ
初めから求めなければ、傷付く事もない
そう自分に言い聞かせることで、俺は自身の心を守ってきた
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純平「ん〜…」
陸「!」
純平がモゾモゾとこちらへ擦り寄ってきたかと思うと、俺のうなじに顔を埋めた
壁の方を向いて横になっていた俺は、その姿勢のまま固まる
陸「(勘弁してくれよ…)」
相変わらずむにゃむにゃと寝言を言っている純平
吐息が首にかかって少しくすぐったかった
純平「…マイちゃん…」
そう呟くと純平はおもむろに俺の体に腕を絡める
犬のような性格のわりに人一倍しっかりした体格の奴の腕は俺の身体をしっかりと捕え、とうとう俺は身動きがとれなくなってしまった
陸「(おいおいまじかよ)」
純平は後ろから俺を抱きしめたまま、右手で俺の腹を撫で始める
後頭部にはおでこを擦り付ける感覚
時折うなじに純平の唇が当たっている
完全にマイちゃんと間違われている
こいつはなんてスケベな夢を見ているんだ
陸「…」
うなじにスンスンと鼻を擦り付ける純平
それがくすぐったくて、俺の身体はピクリと小さく跳ねた
寝たフリを決め込んで目を閉じた俺をよそに、あろう事か純平の右手が服の中へ滑り込む
浅い腹筋の割れ目をなぞるように撫で回され、ゾクゾクと寒気がした
陸「…ん…」
無意識に息が漏れる
ふと密着した下半身に意識をやると、尻に違和感を感じた
陸「(…勃ってやがる)」
尻に押し付けられる硬い感覚は、間違えようもなくそれだった
本当に、なんてスケベな夢を…
純平「ん…ぐごー」
陸「…」
突然ピタリと純平の動きが止まったかと思うと、代わりにイビキが聞こえてきた
寝た
勃起したまま奴は寝た
ああ良かった、絡まった純平の腕をそうっと退けて、俺は安堵のため息をついた
陸「(災難だった)」
乱れた自身の服を整え仰向けになると、なんだか急に眠くなってきて、俺は落ちるように目を閉じたのだった
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