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楽しいお昼休み
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「おっいたいた!」
俺が弁当を綺麗に平らげた頃、不意に屋上出入口の扉が開き、よく知る声が飛び込んできた
樹「ほんとに居たわ」
純平「だから言ったろ!」
陸「どしたん二人とも」
純平と樹だった
スタスタと歩み寄る上級生に虎岩は眉ひとつ動かすことなく堂々と構え、軽く会釈をする
純平「陸〜いつの間にウルトラ新入生クンと仲良くなったん!」
樹「虎岩君、だよね。陸がお世話になってるようで」
陸「お世話してんの、俺が」
恭二郎「…」
いつものように阿呆な会話を繰り広げながら、二人は俺と虎岩に向かい合うように腰を降ろした
純平「いやあ、絶対屋上に居ると思ったんだよ、ほんと、俺の予想大当たりだ」
樹「馬鹿、思い当たる場所全部当たって最後に残ったのが屋上だったんだろ。消去法って言うんだよそれを。つか陸、お前最近昼飯ん時居ないと思ったらこんな所に居たか」
陸「んーまあね。落ち着くだろここ」
純平「なあなあそれよりさ、菓子持ってきたんだ、皆で食わね?虎岩クンもさ!」
そう言って純平が差し出してきたのは、タケノコの形をしたチョコレート菓子とポップコーン
一瞬、虎岩の目が輝いたような気がした
陸「えっそれ俺らと食う為にわざわざここまで来たん。可愛い奴!」
樹「違う、純平は陸と昼飯一緒に食えないのが寂しくてわざわざ口実作ってんの」
純平「違うわ!いや、違わんけど、口実とか言うなや」
少し拗ねたように口を尖らせ頬を若干赤くする純平を面白そうにからかう樹
違う、と一旦は否定したものの、強くは否定しない素直な純平が可愛くて俺はまるで犬にやるように奴の頭をわしわしと撫でた
陸「悪いなー、最近ここで飯食うのはまっててさ。二人も誘えば良かったな」
純平「ほんとだよ。寂しかったんだからな」
樹「こいつ、陸がこっそり彼女作って二人で昼食ってんじゃないかって騒いでたんだ」
陸「期待に応えられなくて悪かったよ」
純平「いいんだぞ、陸のペースで」
陸「上から物を言うな」
各々菓子をつまみながら盛り上がる
二人が加わった事で、それまで穏やかだった場は一転し賑わっていた
ふと虎岩に目をやると、奴は菓子に一切手を付けようとはせずどこか上の空で遠くの方を見ていた
突然上級生に囲まれ、緊張しないという方が無理な話だ
少し可哀想な事をしたかもしれない、俺は虎岩を置き去りに会話を楽しんでいた事を反省し、チョコレートの箱を手に取ると奴の前に差し出した
陸「ほら、お前も。チョコ好きだろ」
恭二郎「いや、俺は…」
陸「遠慮すんなって!買ったの俺じゃないけど」
純平「俺でーす」
樹「ポップコーンも、嫌いじゃないなら遠慮すんなよ。純平の金だけど」
純平「はーい俺の金です」
差し出されるというよりは半ば押し付けられた菓子に虎岩は戸惑いながらもおずおずと手を伸ばし、チョコを一つ取った
陸「けどさ、何でタケノコ?俺はキノコが良かった」
純平「たとえ陸でもそれ以上言うなら覚悟決めな」
樹「俺はタケノコ派」
純平「だよなー!初めて樹と心が通いそう。虎っちはどっち派?」
恭二郎「…」
陸「お前の事よ」
恭二郎「俺は…キノコ派っす」
俺は虎岩の分厚い肩を力強く掴んで大きく頷き、対して純平は樹の体を力任せに揺さぶって大袈裟に悔しがった
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