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雨
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純平「雨うぜー!」
陸「声うるせー」
純平「最近ずっと雨やん?いつまで降る気なん。蒸し暑ぃし最悪。体育館冷房設置してくれー」
陸「それな」
樹「それは同意」
部活動の休憩時間、俺たちはいつものように三人で駄弁っていた
樹「今どき空調設備の無い体育館ってないよな。生徒の体調を軽んじとる。抗議しても良いと思う。次の全校総会で議題に挙げるべき」
陸「樹がよく喋る」
純平「言え言え、もっと言え!」
校内設備の不満を語らせるときりがない我等
陸「そいや、なんで今日は柔道部も同じ時間なん」
ふと、疑問に思っていた事を口にする
休日は体育館の使用時間が朝、昼、夕の三つに分けられ、それぞれに一つずつ部が割り振られている
つまり普段は別の部と練習時間が重なる事は無く、体育館の全面を使用する事ができるのだが、どういう訳か今日は柔道部が体育館の半分を使っていた
純平「それ思ってた」
樹「ああそれ。柔道部、大会近いんだと」
陸「んー、そんで?」
樹「体育館使えない日に外で自主練するだろ、雨でそれが出来なくて体が鈍るから体育館半分使いたいって顧問の安藤が頼み込んできたらしい」
中央ネットで二分割された体育館
柔道部が基礎練習に打ち込んでいる姿が見える
県内でも一二を争う柔道の強豪校である我が校では、柔道部は一目置かれた存在だ
その期待からか、学校側の彼等に対する対応の手厚さといったら、それはそれは著しいものだった
バスケ部の練習範囲を削るなどきっと造作もない事だったろう
純平「あ、虎っちだ。ヤッホー!」
陸「おい、邪魔すんなって。安藤に殺されるぞ」
真っ白な柔道着を身にまとい練習に打ち込む虎岩を見つけると、純平は大声で呼びかけ元気よく手を振った
それに気がついた虎岩は、表情ひとつ変えずに会釈で返事をした
純平「良い奴」
陸「わかるけどマジで邪魔してやんなよ」
樹「陸、やっぱ気に入ってんだ」
陸「うるせー」
純平「陸う〜俺にももっと優しくして〜」
陸「甘えるな」
無駄に長い腕を絡めて甘えてくる純平を適当にあしらい、残る休憩時間を俺達はのんびり過ごした
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