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クラリオの日常8
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「あ、王様の情けない悲鳴ですぅ」
「さすがはリァン様だ。仕事が早い」
「あら、少しは心配して差し上げましょう?」
苦笑したアメリアに、アスカは顔を顰め、フェルミーヌは首を傾げた。
「二日に一回はリァン様に雷を落とされてるからな。心配する気にもなれん」
「寧ろリァン様のストレスの方が心配ですぅ。日常的に王獣様に怒られている王様なんて、きっとうちの王様くらいですからぁ」
「ふふふ、確かにそうかもしれませんね。でも、それでこそ平和な日常、という感じがしませんか?」
少し悪戯っぽく微笑んだアメリアに、アスカとフェルミーヌが少しの沈黙の後、ほとんど同時に噴き出した。
「はははっ、まさかアメリア殿までそんなことを言うとは」
「アメリア様はもっと王様のこと庇うと思ってましたぁ」
「あら、私だって、厳しくするときはするんですよ? クラリオ様は日常的におイタが過ぎますからね。こうして定期的にリァン様に叱って頂かないと」
そう言ったアメリアに、アスカとフェルミーヌが一際大きな笑い声を上げる。
仕事と魔法開発と城下散策に、王獣リァンの怒りの雷。そこに小気味よく響く王妃たちの笑い声が加われば、それこそが、クラリオ・アラン・リィンセンの愛する日常なのである。
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