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円卓懇親会5
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そこでふと、赤の王の背後に控えている供回りの人物に目が行く。精悍さよりも優美さの際立つ顔をした赤い髪の男は、どうやら赤の国の騎士のようであるが、見たことはなかった。
そんなギルヴィスの視線に気づいた赤の王が、ああ、とその男を前に進ませた。
「紹介が遅れてしまったな。こちらはミハルト。我が国の中央騎士団の副団長だ。今回私の供回りとして付いてきてくれた」
ミハルト副団長は整った顔立ちに優美な笑みを浮かべ、恭しく一礼した。
「はじめまして、ギルディスティアフォンガルド王陛下。私は、グランデル王立中央騎士団の副団長を務めておりますミハルト・フレイン・ブロンナードと申します。お目にかかれて光栄でございます」
「中央騎士団の! であれば、さぞや腕の立つ方なのでしょうね」
「ありがとうございます」
「ミハルト副団長殿、こちらは我が王国軍の師団長、ヴァーリアです。ヴァーリア」
促され、ヴァーリア師団長が一歩前に進み出る。
「はじめまして。カリオス・ティグ・ヴァーリアと申します。……ブロンナード副団長殿の武勇は、寡聞ながら存じ上げております」
「はじめまして、ヴァーリア師団長殿。私はミハルト・フレイン・ブロンナード。私も貴方のお話は耳にしています。ギルディスティアフォンガルド王には、大層優秀な武人がついておられると」
「いえ、まだ私など」
にこやかに会話を交わしている二人を、ギルヴィスは交互に見遣った。それから赤の王に視線を向けると、彼も彼で、なんとなく微笑ましそうに二人を見ている。
ギルヴィスはひとつ、決意したように頷いた。
「ヴァーリア」
「はい」
「決めました。私はこれから一人で挨拶回りをして参ります」
「へ、陛下!?」
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