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円卓懇親会8
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ううん、とギルヴィスが悩んでいると、黄の王を見ないように視線を彷徨わせていた紫の王と、不意にばっちりと目が合った。思わずどきりとしたギルヴィスを紫の王が呼ぶ。
「ギルガルド王」
「ん? お、ほんとだ。ギルガルド王じゃん」
「どうしたの、何の用?」
すぐ傍の黄の王を無視して金の王に話かける紫の王を見て、黄の王が大げさに首を傾げる。
「あれっ、ベルマ殿、なんかギルガルド王には当たり柔らかくないっすか?」
「ギルガルド王の方がうるさくない。物分かりもいい。数倍マシ」
「そんなぁ、酷いですよぉ」
遂に黄の王に反応を返さなくなった紫の王が、来るなら早く来いと言わんばかりにじとっと見てきたので、ギルヴィスは慌てて二人に近づいた。
上からは失礼かと座って視線を合わせ、こんばんはと折り目正しく挨拶と礼をすれば、紫の王からは小さな会釈が返ってきた。
「で、何」
「はい、その、ネオネグニオ王に改めてご挨拶をと思いまして。若輩者ですが、よろしくお願い致します、ネオネグニオ王。こちらは持参した品で、西の空に浮かぶ島から輸入したマリムというお菓子です」
金の国には、魔術器以外の特産品があまりない。その代わりに、輸入大国としてリアンジュナイル外の食材や食品を取り寄せ、提供することにしているのだ。今回ギルヴィスが挨拶回り用に選んだのは、ふわふわの雲のような見た目のお菓子だった。
受け取った箱を開けた紫の王は、個包装された色とりどりのふわふわを興味深げに眺める。黄の王は、ああそれな、と機嫌良さそうに笑った。
「先に貰ったそれ、ウチの奥さんたちに出したけど気に入ってたぜ。変わった食感だけどなかなか美味いってさ。色によって味が全然違うのもウケてたな」
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