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円卓懇親会13
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ギルヴィスが緑の王から言われたとおりに青の王の元へ赴くと、青の王は薄紅の王と酒を飲み交わしている最中だった。
飲み交わしている、というか、美男美女を侍らせた薄紅の王が青の王の顔を酒の肴にしている、と言った方が正しいかもしれない。美しさこそ至上と言って憚らない彼女は、青の王の容姿を大層気に入っているのである。
青の王も相手が王だからか、投げかけられる言葉に一応の応答はしているが、なんとなく面倒臭そうにしているのが見て取れた。というか、かなりの塩対応だ。しかし薄紅の王は全く気にせずに話を続けているので、仕方がなく付き合っているのだろう。なんだか先ほど似たような光景を見た気がするな、とギルヴィスは思った。
そんな状況なので少し口を挟みにくかったが、意を決してギルヴィスが二人に声をかければ、両者の反応はかなり両極端だった。
「あらぁ! ギルガルド王!」
「……ギルディスティアフォンガルド王ですか。何か?」
片やよく来た大歓迎だと言わんばかりの笑顔で、片やこの上お前まで何の用だと言わんばかりの仏頂面。
一瞬怯んだギルヴィスだったが、すぐに気持ちを切り替えて、失礼しますとその場に座った。
「こんばんは、ミゼルティア王、シェンジェアン王。私はただいま挨拶回りをさせて頂いておりまして、お二人にもご挨拶をと」
「そう、その可愛らしいお顔を妾に見せに来たのね? 結構な心がけだわ」
「え、ええと……そういうことに、なるのでしょう、か?」
「そういうことなら、ほら、もっとこちらにお寄りなさい。膝を貸してあげるから、その美しい顔をもっとよく妾に見せるのよ?」
「ええと、いえ、あの……」
ぐいぐいと薄紅の王に迫られ、ギルヴィスは思わず青の王の方を見た。青の王は我関せずといった様子でグラスを口にしていたが、ギルヴィスの視線に気づいたのか、顔を上げる。
空色の瞳と赤い瞳が交差し――何事もなかったかのように、空色はふいと明後日の方向に向けられた。
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