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円卓懇親会17
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どうしよう。きょろきょろとギルヴィスの赤い目が周囲を見回す。どうすればこの場をなんとかすることができるのだろうか。
と、その時、
「そこまでにされては如何か、テニタグナータ王」
落ち着いた赤の王の声が、橙の王を諌めた。
ギルヴィスが反射的に振り返れば、赤の王はいつものように微笑んでそこに立っていた。
(ロステアール王……!)
ギルヴィスの顔がぱぁっと明るくなる。救世主の登場だ。赤の王は最良にして至高の王、ギルヴィスではどうすればいいのか判らないこの状況も、彼ならばなんとかしてくれるに違いない。これで事態は解決したも同然である。
そうやって信者特有の色眼鏡で赤の王を見つめていたため、ギルヴィスは赤の王の声と同時に青の王の纏う空気が一気に冷たさを増したことに気がつかなかった。
「テニタグナータ王、あまり無理強いをするものではないぞ」
「おお、グランデル王か」
橙の王の隣に座った赤の王が、橙の王を見て苦笑して見せた。
「さしものミゼルティア王も、貴殿のような稀に見る酒豪との飲み比べとなると、厳しいものがあるだろう。彼は貴殿ほど酒精に強くないのだ」
「そう言うならお前さんが代わりに付き合うか? ミゼルティア王と違ってお前さんはイケる口だから――」
ガンッ!
と、唐突に響いた大きな音に、ギルヴィスはびくりと肩を跳ねさせた。
ばくばくと跳ねる心臓を押さえながら、音の発生源に目を向ける。
(ひっ……!)
するとそこには、どす黒いオーラを纏う青の王がいた。どうやら先程の音は、彼が手にしていたグラスをテーブルに叩き付けた音のようだ。俯く彼の表情は長い髪によって窺えないものの、どんな顔をしているのかはなんとなく想像がつくし、見たいとも思えない。
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