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雪がとけたら
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「ごめ……」
「もう、いいから。こんなことくらい。いじめっ子にドロップキックかまして、俺を助けてくれたれいちゃんのほうが、もっとすごいから」
今目の前にいる理央は、やっぱりあのときの、可愛かった理央なのだ。
可愛い弟分みたいだった少年は、かつてのヒーローがめそめそ泣いていても、すごいと称える。
「すごくないよ。今はそんな勇気ない」
「俺さ、れいちゃんが退院してお別れになって。やっぱり一人だと虐められて。今はでかいけど、昔はちびだったし。れいちゃんみたいに、ドロップキックかましてやったんだ。教室で、そこから乱闘になったんだけど」
理央は武勇伝のように、争いの末路を語った。
その日から理央に対するいじめはなくなり、怜以外の友達も増えたらしい。
「あのとき、偶然れいちゃんと会ってなかったら、俺はずっとうじうじしたまんまだったし。俺の人生変えてくれたんだよ、れいちゃんは」
「久々に会って、幻滅した?」
「何で? あ、さすがに年上だし背は俺より高いだろうなー、って思ってたら、意外と小さくてびっくりした!」
「……一応、一七十はある」
「その言い方だと、一七十ぴったりってことだよな」
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