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・48 登城
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シャロウネのデビュタントは、結局何も出来ずに終わった。
ダンスも国王様への挨拶も何も出来なかった。
それは全部俺のせいだ。
「すいませんでした」
俺は一緒にお茶をしているシャロウネに謝った。
「突然どうしたのですか?」
そう言ってシャロウネがきょとんとする。
「先日のパーティーの事です。シャーネのデビュタントだったのに、俺のせいで台無しにしてしまった」
「その事でしたら気にしてません」
『謝る必要は無いです』とシャロウネは言う。
でもそれでは俺の気が収まらない。
後で思い出した事だけど、シャロウネはあのパーティーでリオネスと出会って婚約する筈だった。
俺はそれを変えてしまった。
シャロウネには申し訳なくて仕方ない。
「…そうですわね。そんなに気に病むようであれば、今度私と街に一緒に行って下さい」
俺が下を向いていると、シャロウネがそう言う。
「……街?」
「はい。私とデートしてください」
そう言ってシャロウネはニッコリ笑う。
「そんな事で良いのなら喜んで」
「何やら楽しそうな話をしているね」
シャロウネと街に行く話をしていると、伯爵様がそう言って顔を出した。
「お父様!」
伯爵様の顔を見た瞬間、シャロウネが嬉しそうにする。
「父様、お疲れ様です」
俺も伯爵様に挨拶をした。
「今、ディーと街に行く話をしたんです」
シャロウネがさっき話してた事を伯爵様に報告する。
「そうか、それは楽しみだね」
伯爵様がそう言って笑うと、シャロウネも『はい』と答えて笑った。
「ところで、ディー」
「はい?」
「ディーには後日、私と一緒に王宮に行って貰うよ」
「……王宮?」
やっぱり、リオネスに手を出したことが問題になったのだろうか。
「そんな不安そうな顔をしなくてもいい」
考えてた事が表情に出てたのか、伯爵様がそう言う。
「陛下がディーに会いたいと仰ってる。先日のパーティーでは会えなかったからね」
どうやらこれは俺に拒否権は無いようだ。
そう思って、俺は伯爵様の言葉に素直に頷いた。
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