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mbky25 ※
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ここで寝たらダメだ。
一輪挿しを見てからテーブルに置こう。
拾い上げて底と中を見た。
不自然な針金があることに気付いたがまだそのままにして明日にまわそう。
大人しく寝室に向かってその辺にあった布で刺された腕を縛る。
あの針金の存在は不自然だった。
しかし何に使うかは検討もつかない。
明日にかけよう。
k「寝るか…。」
「おはよう。」
k「ん〜…も少し…。」
「全く。子供のようだな。起きなさい。」
身体を揺すられて渋々起き上がる。
k「ん…起きます。はい…何でしょうか。」
「腕の刺し傷治療しにきたよ。」
k「あ…どうも…」
「深く刺したからね。流石に痛いでしょう。」
k「どれもこれも痛いことばっかりです…」
「はは。昨日はあんなに素直で可愛かったのにね。まぁ、拗ねてる君も可愛いけど。」
k「…」
「安心して。もうすぐ終焉を迎えるよ。」
k「…え?」
「完成が近いんだ。作品のね。」
空気が張り詰める。
時間が止まって見えた。
男は気にせず淡々と喋る。
「君をただ殺そうとも思ってない。君がゲームの提案をしてきた時はなるほどと思ったよ。面白そうだから私も簡単な遊びを考えた。鬼ごっこをしようじゃないか。私の手元には刃物がある。これから逃げ切れば君の勝ちだ。逃げられなかったら大人しく作品になってもらう。制限時間を儲けよう。1時間でどうだろう?」
内容が頭に入ってこず整理するのに時間がかかった。
身体能力は俺の方が上だとは思うが…。
「乗るか反るか。選択は君次第だ。」
k「俺の方がリスク高いじゃないですか….。」
「そんなことはない。私が負けたら最高のエンディングを用意しよう。君にとってね。」
k「…と、言うと??」
「そこはお楽しみさ。明日の夜までに結論を出しておくといい。では。」
そう言って男は仕事に向かった。
見送った後窓を見上げる。
何も考えられない。
ただ死にたくないと脳内が嘆いている。
k「くそ怖え…。どうしよう…。」
外は皮肉にも晴れ晴れとしている。
食欲もわかない。
しばらく座り込み窓を見上げたままふと意味深な針金を思い出す。
針金と言えばやはりピッキングだろう。
しかしそんなことはしたこともない。
ただ、やってみる価値はあるのではないだろうか。
k「…やってみるか。」
針金を手に書斎の引き出しと向き合う。
しかし何度差し込んでガチャガチャ針金を動かそうと手応えはなかった。
やはり適当にできるものではないと諦めて針金を元の場所に戻す。
他に何か方法はないのだろうか。
物を集めたって隠す場所がない。
現時点ではなす術がない。
それからその場で即興でできる何かないだろうか。
追い込まれた時の保証が欲しい。
今この場でぱっと辺りを見回して思いついたことが一つだけある。
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