アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
mbky31 ※
-
お互いに食事を終えて食器はそのままにした。
男は珈琲とタバコを嗜んでいる。
俺はチョコレートを分けてもらってそれを食べてる。
「食べ終わったら始めよう。」
k「…はい。」
カチコチ、カチコチ時間はお構いなしに進んでいく。
「そろそろだね。準備はいいかな?」
k「…はい。」
羽織っている布をギュッと握る。
男はネクタイをキュッと締めて黒い革の手袋をつけ始めた。
ルールを確認して1時間じゃ少ないのではということで持久戦に変更し、男が疲れ果てて降参するか俺が捕まるかのどちらかだ。男が時間を測る。
5分たったらスタートだ。俺はひとまず寝室にあったジッポに火が付くか確認して必要なモノを最低限収集する。
ゆっくりとした足音がエントランスに響いているのが微かに聞こえる。ほんの少しドアが開く音がして少ししてからそっと部屋を出る。
エントランス上の端っこに観葉植物があるのでそちらに身を潜めて男の動きを確認する。
とある一角から出てきた男は手にきらりと光るモノと腰にホルスターを身につけている。
銃なんて一体どこから手に入れたんだ。と一気に青ざめる。
階段下の扉が開く音がする。
怖くてここから動けない。必死で息を殺す。
こうして何分たったのか時間もわからない。
男が階段を登ってくる音がした。
まずい。今動いては見つかってしまう。瞬きすら許されないくらいの緊張感が走る。息を殺し、気配を消すように徹する。男はスルーして扉を開けて食卓に入る。
その隙に手すりと布を利用して一気に滑り降りる。
靴がなくて改めてよかったと思うが床によってはヒタヒタと微かに足音が立ってしまう。気をつけながら螺旋階段の部屋を目指す。途中で薬品庫にアルコールなど引火性のあるものを探して切り札として所持する。
相手は銃と刃物どちらも持っている。近接戦も遠距離も不利だ。しかしこの螺旋階段で先ほどのように滑り降りれば望みはある。
どのくらい過ごしただろうか。隣には彼の配偶者がいる。まるで全て見ているようだった。
手を合わせて小声で言う。
k「あなたを含めてここから解放してあげたいです。皆んなが報いるように俺頑張ります。どうか安らかに。」
被害者は俺だけじゃない。だからこそだ。
階段を登る音がする。いよいよここまで来てしまったようだ。再び心臓が高鳴る。口を両手で塞いで必死に押し殺す。
違う部屋に入って行った。
今だ。
わざと音を立てて扉を開いて螺旋階段を滑り降りる。
一瞬男が部屋から出てきたのを確認してペタペタと走ってエントランスへ向かう。
上がってくる息と心臓が五月蝿い。
階段下の柱に隠れて様子をみる。
意外にも早く男が出てきて慌てる。
パァン!パァン!と2発の発砲音が響き渡る。
微かにガラスが割れる音がして外の音が少しクリアになる。
男は階段下の部屋に再び入る。
またもやスルーされホッと胸を撫で下ろす。
気を取り直してもう一度螺旋階段の部屋に入る。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
55 / 97