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fjky 体温
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こんにちは。
前回のお話と微妙に続いてます笑
曲を聴けば聴くほど妄想が止まりません。誰か止めてください。
よろしくどうぞ
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f「友達に戻ろう。」
ついに言ってしまった一言。
キヨはそうだよねなんて笑ってるけど今にも溢れそうな涙を必死に閉じ込めている。
事の経緯は特にない。
ただ、どうしようもなく愛おしくて愛してる。
それ故に幸せにできる自信が日を増すごとになくなって愛情に変わっていくのが耐えられなかった。
k「俺今日収録するから…もう帰るわ!じゃーな。」
f「送ってくよ?」
k「いいよ。どうせ危ない事なんてないんだから。」
f「そんなこと」
k「俺男だもん。少しくらい放っとけよな。」
f「…わかったよ。ごめんね。」
彼が家を出て行き一気に静かになった。
元々彼はあまり喋らないから然程変わりはないがいないだけでこんなにも静かになるとは思ってなかった。
歪な形だったが、歪な形なりの均衡が取れてるならそのままでも良かったのに自分勝手に別れようと告げて自分勝手に納得させようとしてしまった。
酷い事をしたと重々承知で最後まで綺麗に見せようと聞き分けのいい事で汚れてしまうことで本当に大切なモノが何かに気付かされる。気付いた今となってはもう遅い。
彼への恋心はとんでもなく重いモノで余命宣告受けた夜でも笑わせる覚悟だったのに。
f「もしもし。ヒラ?」
h「どうしたの?」
f「キヨと友達に戻っちゃった。」
h「え?!どうしたの?なんで?」
かくかくしかじか自分の本音をヒラに打ち明けた。
こいつならわかってくれるだろうとヒラにはキヨを好きになった時から世話になっている。
やっと恋人同士になれたのに自らその関係を断ち切ってしまった。女々しさにも程があるだろうと自分でもガッカリだ。
h「そっかぁ。フジはまだ好きなんだね。キヨのこと。」
f「死ぬ程な。本当大好きってか愛してるってかさ。」
h「まぁでもキヨもわかった上だと思うよ。」
f「分かってほしい訳じゃないんだけどさ、あいつのことだから自分のせいだと思ってるんじゃないかと心配でならないんだ。だからキヨのケアをしてほしいんだよ。」
h「ほとぼり冷めるまではね。でもそれでキヨが俺のこと好きになったらどうするのさ?」
f「お前のこと恨むけどキヨがそれで幸せになるならそれでいい。」
h「…でも俺恨まれるんだね。笑」
f「へへっ。恨むわ。笑」
人を恨むほど俺は立派じゃないし、そんなことする権利など微塵もない。
ヒラとの会話が終わって再び静かになる。
空間が静かになればキヨへの想いがどんどん膨らんでいく。破裂することを知らない風船がどこまでも膨らんで手がつけられない。
それからしばらくたったがキヨから何も音沙汰なく俺からも会おうとしなかった。
会おうとしないのはもし、そういう雰囲気になった時にきっとキヨからのキスを拒めないから。
今でも見えない君を見つめている。気付かれないように君からだけ目を逸らしている。
突然携帯が鳴ってみると着信はキヨからだった。
出るか出ないか迷うが「友達」として不自然な気もするので出ることにする。
k「あ。フジ?」
f「…はいはい?」
k「あのさ、暇?」
f「あ…あー。えーと…まぁ…う、ううん」
k「暇そうだな。笑」
f「ちょっと編集しようかと思ってたんだけど」
k「現在地送っといたから早く来いよ。じゃないと風邪ひくからな。んじゃ。」
動画編集なんてする予定がない。彼には全部お見通しだ。
変に緊張しながらも指定された場所に向かう。
こんな寒い真冬の夜になんでそんな所にいるんだと心配になり急いで家を出た。
友達に戻ろうとしている最中なのでこんな夜に1人でそんな所にいるのが心配でならない。
タクシーを拾って急いで向かってもらう。
窓の外から見える街灯が淀んでみえた。
目的地に着くと辺りに人はいない。
ふと付近にあった公園のベンチに人影が見えた。
何だか揉めている様子…
f「…!」
キヨと知らない誰かだ。
何があったんだと駆け寄る。
「おねぇさーーーん!やらせてーーーー!」
k「だから男ですって!!」
見知らぬ男に公園のベンチで押し倒されてるキヨがいた。
f「キヨ!!!!」
k「フジ…助けて…」
恐らく酔っ払っていた男をキヨから引っ剥がしてキヨの手を引いて走る。
淀んでいた街灯が道標のようだ。
2人で息を切らして大きな道に出た。多少人もいるがエキストラのように見えて2人だけの世界に没入する。
閉店している店の前のベンチに腰をかける。
f「どうしたの?何かされてない?」
k「なんか酔っ払っててずっと俺のこと女だと思ってて何回も違うつってんのに…聞いてくれなくてさ。へへへ」
f「全くへへへじゃないよ…ふぅ。わかったよ。もう大丈夫だから。遅くなってごめんな。」
k「…うん。」
苦し紛れに笑いながら震える彼の背中をさすって宥め、慌てて話題を変える。
f「そういえばどうしたの?あんな所に呼び出して。」
k「あー。別に何もないんだけどさ、なんか暇だったから散歩でもどうかなと思ってさ。」
f「暇人かよ。」
k「すること何もなかったんだもん。」
f「あぁ。そう。もっと人がいるとこ歩けよ。」
k「嫌だよ。誰もいないからいいじゃん。」
f「わかるけど…。」
危うく「けど」の後にいつもみたいな説教を垂れるところだった。
もう少し遅かったらと思うと鳥肌がたつ。
コツコツと時々歩く人々の足音が聞けえるくらい無言になる。この無言が何だか心地よい。
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