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「もう分かってるんだからな! お前が考えてることくらい」
「俺が考えてること? 何だ? 言ってみろ」
「どうせいつか俺に変なことしようとか思ってんだろ……この変態バカ兄貴!」
「否定はしない。何か不満でもあるのか?」
「はぁ!? ぜんぶ不満だっつーの!」
「……俺の性の対象になっていると気づいたなら、もう俺に抱かれる想像くらいはしたのか?」
「……うっせぇ!」
俺は藤ノ木凜(ふじのきりん)高1だ。
いま話してたのは……双子の兄貴の|藤ノ木玲(ふじのきれい)。
こいつはものすごく頭の回転が早くて、自分に都合が悪くなると巧みに話題をすり替えて……いつの間にかぜんぜん違う話になってて、俺はいつも何を言おうとしてたか完全に忘れてしまう。
それだけじゃない。俺がこいつに対して不平不満をもらそうものなら、その何倍もの理屈を並べて返してくる。だから口喧嘩じゃぜったい勝てない。……まぁ殴り合いじゃもっと勝てないけど。
そもそも双子だっていうのに、俺がこいつに勝てることはたぶん一つもない。
「フッ、もう終わりか?」
「……うっせぇ」
あームカつく。性格悪いくせに顔だけはいいんだよな。なんか整いすぎてて人形みてーだし。
……あ、そうそう。さっきなんで怒ってたのか思い出した。こいつがしょっちゅう俺の部屋に勝手に入ってきてちょっかい出してくるからだった。
しかも普通のちょっかいじゃないからな?……とりあえず今は想像に任せるけど、俺が寝てる時とかも勝手に入ってくるってことだけは伝えておく。
俺もう高1だからさ? いい加減ベタベタされんのとかイヤだし、まじでやめてほしい。……まぁ何度言っても聞かねーんだけどな。
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