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1.平凡な世界⑶
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ガラガラっと反対側の校舎にある国語準備室のドアを開けると、何だか変な匂いで充満していた。
うわ、なんだこの匂い…
鼻をつまみながら部屋に入り、机が4.5つ向かい合わせで置いてありドアの横にコピー機があったのでとりあえずそこにプリントを置いた。
机の上はコピー用紙が雑に置かれて飲みかけのコップや空き缶で散乱していた。
こんな机でどうやって作業しろと言うんだ。
少しでも作業環境を良くするために換気しなくてはと、窓を開けた。
まだ4月の春風だが潮風と緑の匂いが一気に舞い込んできて少し気分が晴れる。
寝てしまった自分が悪いし、早く終わらせて帰ろう。
そう思いコピー機の上に置いたプリントを取り、何個かある机の中で一番綺麗なものを使うことにした。
机の上に置こうとしたその時、床にあった何かに滑ってしまい手に持っていたプリントをぶち撒けてしまった。
「うわ、」
──ドスッ
盛大に転んで手を出す前に顔から転んでしまい鼻がジンジン痛む。
地味に痛いやつ…
急いで散らばったプリントをかき集めると、1枚だけ楽譜が書かれているものを見つけた。
「……?」
その紙を見ると、くっきりと靴で踏んだ跡があった。
もしかしてこの紙で滑った?
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