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2.金色の少年
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「ここにいたのか。一ノ瀬碧」
いつものように、お昼休みの時間に屋上で空に向かってシャッターを切っていると、レンズの端からひょいと見覚えのある顔が見え、ビックリして声にならない声が出た。
「イッチーが探してたぞ」
「…っ」
─ビックリした…
太陽の光に照らされ真っキンキンの髪の毛が風になびく。隙間からチラチラと見える曇りのない瞳が僕を捉えた。
…昨日の金髪男だ。
昨日もいきなり現れて、今日も。
彼は驚かす天才なのかもしれない。
そして何故僕の名前を知っているのだろうか。
誰かに聞いたのか?
でも僕が驚いているのはそれではない。
ここは屋上で立ち入り禁止区域だ。
僕はともかく、この彼は見た目からしてこんな所にいて大丈夫なんだろうか。
見た目で差別なんてしたくないのだけれど、なにより金髪、だし…
「なぁ、聞いてる?」
そんな事を考えているとも知らず、彼は顔を覗き込むように僕を見てきた。
驚いて視線を上にあげて彼を見た。
曇りのない瞳が、何かを見透かすように僕をじっと見る。
まただ。
また、驚いてしまった。
「….な、なに」
「イッチー困らせんなよ」
だから、イッチーて誰なんだ。
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