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2.金色の少年⑵
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「登校したらいないって聞いてめちゃくちゃ探したんだからな。教室で会えると思ったのに」
「…どういう意味?」
彼の言葉に理解出来ず、眉をひそめた。
「俺たち同じクラス」
「え?」
彼は自分と僕を交互に指差し、たしかにそう言った。
─そんなはずない。
だって、昨日初めて彼に会った。
確かにクラスでの僕は存在感を消して誰とも喋らず窓の外ばかり見ているけれど、あんな綺麗な金色の髪をしていたら嫌でも視界に入ってくるはずだ。
なのに転校してから1週間たったが、僕は彼の存在を知らなかった。
彼が言う同じクラスなら絶対に覚えている。
「…うそ」
「嘘じゃないわい。俺、隣の席」
…隣の席、思い出した。
隣っていつも席が空いていた。
「君が隣だったのか?」
一回も隣の人を見たことがなかった。
それなら納得出来る。
「そうか、君が…」
驚いてそう言うと、彼はムスッとした顔で口を開く。
「俺の名前、白崎結人(しらさき ゆうと)」
いきなりの自己紹介に困惑する。
突拍子がなさすぎる。
「君じゃなくて、白崎結人」
彼が不貞腐れ気味に言うもんだから何故2回言ったのかが想像ついた。
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