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3.シロ
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「おーい、アオ~!」
…まただ。
金色の髪がヒラヒラ揺れてまるで宝石みたい。
とゆうかそろそろ、鬱陶しい。
あの屋上の出来事から金色の少年─白崎結人に、僕は何故か付きまとわれている。
少しでも移動しようとすれば「どこに行くんだ?」と声をかけられ、それに反して席でジッとしていれば「今暇?」などと永遠に大して面白くもない話をしゃべり続けてくる。
もうウンザリだ。
そんな彼は教室の窓の外から体を乗り出して、登校している僕に手を振っている。
危ないし…
僕は笑顔の彼を無視して、昇降口から教室へと歩く。
「あ!こら無視か!」って声が聞こえたけど気のせいだと思う。
だって教室は3階だ。声が大きすぎる。
教室につき何事もなかったかのように、僕は自分の席へつく。
そして隣の白崎くんは毎朝のように吠える。
「アオ、さっき無視しただろ!」
そう言って僕の机をドンッと叩く。
もしかしたらさっきのは聞き間違いじゃないかも。
なんて思いながらこれ以上無視し続けると彼がより一層うるさくなりそうで言葉を返す。
「あんなに大勢の前でなに考えてるの。
それに危ないからもうやめて」
俺はそれだけ言うとバックから教科書などを取り出し、机の中にしまった。
「心配してくれてんの?」
「…まぁね」
なんて言うと彼は嬉しそうにニッコニコ笑う。
何がそんなに嬉しいんだ。
白崎くんは朝のHR中もずっとさっきの笑顔でこちらを見ていた。
僕はそれでまた居心地が悪く思い、現実逃避する様に窓の外を眺めていた。
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