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突然
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そんな日々が続いた、ある日。
それは、突然だった。
「……キスして、いいか?」
なんだって?
いつものように髪を撫でている奴の口からの、突然の言葉。
レシピノートをめくる手が止まる俺。
いつかのように、思考が止まる。
ふいに、顎に体温を感じた。何も言えないまま、顔を持ち上げられた。
合わさる視線。
ゾロの、その深緑の瞳に、吸い込まれそうになる。
…あれ?その瞳が、どんどん近づいて…
「!?」
唇に感じる、柔らかくて温かい感触。
すぐ目の前にある、ゾロの顔。
ほんとうに、キスをされた。
俺は咄嗟にゾロの肩を掴み、必死に押し返したが、力で奴にはかなわない。
蹴ることも忘れ、抵抗を試みる。
が、俺の意思とは反するかのように、キスは深くなっていく。
歯列をなぞられ、上顎を舐められ、舌を絡ませる。
「ん、ふ…ぅ…」
濃厚なキスに、脳が蕩けてくる。
自分が発してる声に、顔が赤くなる。
そろそろ、息が苦しくなってきた、と思ったところで唇が離れた。
頭がクラクラして、怒ることも忘れぼーっとしていると、ゾロは黙ってキッチンを出て行った。
_…俺、今あいつと何をした…?
キスをした。
_………ぐあああああ!信っじらんねえ!
嘘だろ!?あいつと!キス?ぬあああ!俺は
何てことを…!
頭を抱え、のたうち回る。
もう、思うことが多すぎて、頭がぐちゃぐちゃだ。
ただ、一つ自覚したのは、
_…俺って、流されやすい…
ということだった。
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