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森の奥に広がる、深い闇。
夜景目的で訪れる人なら、絶対に立ち入らない場所だ。
「……ちょっとだけ」
展望台には、人がいる。
もしかしたら、知人に会うかもしれない。
誰にも邪魔されず、他人に聞かれたくない話があるんだろうと推測し……藤井は亜由美の誘いに乗った。
遊歩道に入り、その入り口付近にあったベンチをスルーする亜由美。
「……もう少し先ので、いい?」
「ん。いいよ」
その奥には、外灯が無かった。
野生動物が潜んでいそうな茂みと、永遠に続く闇。
入り口付近のベンチでは、確かに展望台に訪れた人の目に晒されてしまう。
亜由美の手をギュッと握れば、安心したように亜由美が藤井を見上げた。
一人なら怖くて避けてしまうような暗闇の中でも、心を許す人が傍にいるだけで、違った空間へと変わる。
二人だけの世界。
繋いだ掌が次第に熱くなり、二人の距離が徐々に近付いた。……その時だった。
「……こぉんな所で、なにしてんのぉ?」
突然背後から、くつくつと笑う声。
途端に背筋が凍る。
彼女の手を強く握ったまま、彼女を守るように藤井が振り返った。
「……!!」
見れば、そこにいたのは……見るからにヤバイ感じの集団。
金髪にピアスは当たり前。首元や二の腕には刺青。派手な服装。
「あっちの茂みで、しようとしてた?」
「……まだ高校生じゃん」
「てか彼女、可愛いねぇ……」
「金持ってんだろ?」
四人の男がそれぞれ口にし、二人を囲む。
ゆっくりと。嬲るように。
「出さねぇとさ……どうなるか解るよな」
「……へぇ、純情そうな子じゃん」
一人が金をせびり、もう一人がイヤラシイ目付きで亜由美を値踏みする。
残る二人は、威嚇体勢のまま、藤井と亜由美の様子をじっと窺っていた。
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