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美しき悪魔(1)
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部屋へ連れてこられたカレンは、そのまま寝室へとついでと言わんばかりに連れてこられそっとベッドに乗せられる。ベッドに腰かけるように降ろされた体は今の状況に慣れてきたのか、心拍が落ち着き色々自分自身に目が行くようになってきた。
正装として着飾られた服は黒を基調としながらも、腕や腹にあたる部分は透ける素材を使用しており割れた腹筋がうっすら浮いて見える。所々にあしらわれた皮のベルトに布が着いているような仕様で酷く体のラインのわかる服である。
特に恥ずかしがる内容ではないにしてもこれを地上でやれば視線は集められそうだ。
どうしてこうもここの服は露出が激しいか着込むかの2択なのだろう。
「……お父様」
「カレン、もう黙りなさい」
ベリアルは今でも尚やや抵抗を見せるカレンに焦れ、彼の頬に手を添えて黙るように声を制する。頬に滑らせた手をそのままに、ベリアルは身体を近づけ戦慄ききつく閉じた彼の唇にそっと口付けを落とす。
カレンはそれを受け入れも拒みもせず行為を眺める。
「これで拒まなければこれ以降の否定は受け入れぬが…いいか?」
「……はい」
返事を聞いたベリアルは酷く機嫌のいい笑みを浮かべカレンをそのままベッドへと押し倒す。膝から下が落ちた格好で腕を片手で纏められ、服の装飾に使われている手首のベルトとベルトを繋がれる。そのためにあるのかそうでは無いのか、急に動きを抑制され若干の恐怖心が湧き上がる。
しかし、魔力の篭っていないそれは本気を出せば容易に外れるものである。仮に外したとて次の手がある為抵抗したところでなんの意味意味もなさない。
「ああ、カレン……お前はとても美しい、お前にあいつらの血が流れているなんて嘘のようだ」
ベリアルは語りかけるような独り言のように喋ると押し倒したカレンの額に自身の額を合わせる。
魔族の体温は特性に合わせてそれぞれ差がある。炎を使うものは人が触れば火傷するほど、氷を扱うものは酷く冷たく触ったものを凍らせてしまう奴もいる。そんな中動物や人を模したものは大体人間と同じほどの体温を保っている。
カレンはもちろんどちらにも傾かないが故に人と同じ体温であり、合わせたベリアルの額はどちらかと言えば冷たくひんやりとカレンの温度を奪っていく。まるで生き物ではないんだと言われているようだ。
近すぎて合わない焦点は確かにベリアルの瞳を捉え、彼の中に渦巻く欲を見せつけられる。彼はこうして会う度にカレンを抱くことに執着する。それはベリアルの特性として、彼は愛と性欲がほぼイコールなっており、そこに血の繋がりや性別、歳は関係ない。相手が受け入れることが可能であればそれは全て性欲としてぶつけられる。悪魔としての性質ゆえ心から愛している相手と会えない時間はさぞ寂しく不安であろう。
そしてカレンはベリアルに対して決して明かせはしない秘密を抱えているのだ。
愛しているが故に体の関係を求める彼にとってその秘密は体をも裂くようなものであり、今回カレンがややベリアルに対して否定を見せるのはそのせいでもある。
腰と頬に優しく添えられた掌の感触に少しの罪悪感を感じながらカレンはベリアルのその愛を受け入れる為、顔を傾け、今日会ってから始めてカレンの方から求めるように口付けを返した。
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