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第四章
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暫くしてスマホに表示された時刻を見ると、そろそろ四時になる所で、常備してあるカップラーメンを食べてお腹も膨れた迅鵺は、眠気でうつらうつらとしている。
「───もう、こんな時間か・・ふわぁあ・・ねむっ」
迅鵺は目の前のテーブルからリモコンを取って電気を消し、欠伸のせいで滲んだ涙を手の甲で雑に拭きながら、服も着ないままソファーに倒れ込んで眠ってしまった。
それから二時間くらい経った頃だろうか、寝室のドアが静かに開かれて、リビングに足を踏み入れた悠叶の姿が広々としたバルコニーの窓に映り込む。
「───ここは・・迅鵺さんの部屋?」
まるで、“見た事がある”といった様子で、悠叶はポツリと一人言を溢す。
すると、ソファーから足が見えて、悠叶は痛む頭を押さえながらソファーに近付くと、生唾を呑み込み眠る迅鵺の姿を凝視した。
悠叶の目に映るのは、ボクサーパンツ一枚で片腕を枕に横向きで眠る無防備な迅鵺。
眠っている迅鵺の顔は息を呑む程に綺麗で、布で覆われていない露出された白い肌、そこに浮かぶ両胸の形の整ったピンク色の突起。
膝を曲げているので、ヒップラインが強調されていて、ボクサーパンツからは程好く筋肉が付いた綺麗な脚が伸びている。
悠叶は暫く立ち尽くしたかと思うと、ゆっくりと床に両膝を付き迅鵺の顔を覗き込んだ。
「─────迅鵺さん・・」
まるでこの世に、迅鵺と悠叶しかいないような静かなこの空間の中で、迅鵺の寝顔を見詰める悠叶の表情は、とても哀しく苦しそうなものだった。
悠叶は、そっと迅鵺の頬に指先だけで触れる。
「────ごめんなさいっ・・ごめんなさい・・」
今にも泣き出してしまいそうな程に悠叶の眉は震えていて、何故か同じ言葉を繰り返す悠叶の小さな掠れた声は、唇から溢れる度に、その想いがとても強く哀切なモノに思えた。
悠叶は暫くそのままで居たが、迅鵺の頬が冷たかったことに気付いて寝室から毛布を持って来ると、それを迅鵺にかける。
「迅鵺さん、いくら暖房つけてるからって、そんな格好じゃ風邪引きますよ。」
悠叶は少しばつが悪そうに微笑んで、何も知らずにスヤスヤと眠る迅鵺の顔を見ながら呟いた。
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