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第八章
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ゴールドやシルバーのモールがバランスよく店内の壁を飾り、天井からは幾つもの星が吊るされていて、ガラス製の仕切り窓にはスノースプレーでサンタやトナカイ、クリスマスを連想させる模様が浮かんでいる。
店内入り口には、ゴージャスなクリスマスツリーが置かれていて、Merry Christmasの文字。
今日は十二月二十四日、クリスマスイブ。
TOP SECRETは、クリスマスイベントで賑わっていた。
「迅鵺~っ、それ、すっごく可愛い~ちょお似合う~」
キャッキャッと語尾にハートを付けて迅鵺を弄る三人組のお客達。
ホスト達も、それぞれクリスマス仕様になっており、オーソドックスにサンタやトナカイの格好や真っ白のスーツ、ウケを狙ってプレゼントボックスの被り物をしているホスト等、様々だ。
そんな中、迅鵺の衣装は一際目立っていた。
雪の女王をイメージしたきらびやかで美しいドレス。頭もご丁寧にカツラまで被って。
迅鵺は、流石に恥ずかしいのか頬をほんのり赤らめていて、少し不機嫌そうだ。
「───俺は、普通に白スーツ着るつもりだったのに・・」
「きゃあ~迅鵺照れてる、可愛い~」
迅鵺の指名客は、迅鵺のほんのり赤くなった頬を人差し指でツンツンとつつくと“やめろって”なんて言って、お客の手を掴む迅鵺。
そんな様子を、響弥と翔は楽しそうにニヤニヤしながら見ている。
「それ、似合うだろ?コイツ、ぜってぇすましたやつ着ると思ったんだよ。案の定白スーツだろ?それじゃあバースデーイベントと一緒じゃねぇか。だから俺が機転を利かせて用意してやったんだよ。NO.1に相応しい衣装だろ?」
どうやら、響弥の計らいだったようで、白いスーツを持参したというのに、無理やり着せられたようだった。
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