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第八章
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“ピンポーン”と朝っぱらには似つかわしくない、軽快な音を鳴らすインターホン。
暫く待つが、なかなか開かないドアに迅鵺はもう一度インターホンを鳴らした。
「やっぱ、こんな朝早くじゃ寝てっかな・・」
そう一人言を溢した直後、室内から何やら物がぶつかったような鈍い音が聞こえてきて“い"っ──いたあっ・・”なんて、騒々しい声まで聞こえてくる。
「ちょっ、悠叶さん大丈夫っすか!?」
怪我をしている悠叶を気遣ってドア越しに声を掛けると、直ぐにドアが開かれた。
「と、迅鵺さんっ!?」
眼鏡をしていない悠叶の目は、何処かぶつけたせいなのか涙ぐんでいる。
「悠叶さん、なんか物音しましたけど大丈夫っすか?」
「え?ああ・・寝てたので、眼鏡も掛けてないし寝惚けてたしで・・足の小指をぶつけちゃいました。」
“ははっ”なんて言って、照れ臭そうに笑う悠叶に迅鵺は強く共感した。
「あ~それマジで痛いやつね。」
「それより、どうしました?」
悠叶に言われて思い出したように、迅鵺は口を開く。
「つか、朝早くすいません。でも、この時間からじゃ寝たら起きれそうになかったんで来ちゃいました。」
そう言って、コンビニの袋を差し出す迅鵺。
「────えっ、もしかして、また食べる物とか買ってきてくれたんですか?」
申し訳なさそうに言う悠叶を他所に、迅鵺は靴を脱ぎ始める。
「まあまあ、いいから入れて下さいよ。さみぃ・・・」
そう言って身震いする迅鵺に“気が利かなくてすいません”と悠叶は言って、部屋へと迎え入れた。
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