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第九章
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「────はあっ、はあっ、」
大きく肩で息をしている迅鵺の額には汗が滲んでいて、背中にあるドアにぐったりとした身体を預けるように寄り掛かると、力無く膝から崩れ落ちる。
すると丁度、悠叶の目線と交わる高さまで座り込んでしまった迅鵺の目の前で、悠叶は口の中のモノを喉を鳴らして呑み込んだ。
「ちょっ!?───何してんすかっ!?そんなモノ飲まないで下さいよっ」
迅鵺は慌てて言ったけれど、呑み込んでしまったものはしょうがない。
「そんなモノなんかじゃないです。俺、迅鵺さんのならなんでも飲めますよ。」
とんでもない事を言う悠叶に迅鵺は顔を真っ赤にさせて、それを誤魔化すように立ち上がろうと足に力を入れる。
「何バカなこと言ってんすかっ!───って、膝が笑って立てねぇ・・」
足に力が入らなくて、諦めたように溜め息を吐く。
「迅鵺さん、腰抜けちゃいました?迅鵺さんて、こんなにエッチだったんですね・・最後なんて自分で───」
「それを言ったら自分なんかキャラ変わりまくりっすよっ!?それになんすか、さっきの!お、俺のにドレス引っ掛けて・・オヤジかってのっ」
自分で裾を捲し上げたのが余程恥ずかしかったのか、思い出して赤面する迅鵺。
「ん──・・それは、迅鵺さんが悪いです。俺、興奮すると人が変わってしまうから・・」
悠叶の言った事に、迅鵺は身を持って思い知った気分だった。
「────つか、悠叶さんのそれっ・・苦しそうっすね・・・」
男とは経験無くても、女と経験豊富な迅鵺にとって、自分だけ達して終わり。ていうのも気分が良くないのだろう。
迅鵺は、悠叶の盛り上がった股間を指差して言うと、手を伸ばす。
「────へっ?と、迅鵺さんがしてくれるんですか?」
自分のベルトに掛けられた迅鵺の手に、期待を隠せない様子の悠叶。
だけど────・・
「おーいっ!迅鵺居るかっ!?」
ドアのノック音と共に響弥の声が聞こえてきて、迅鵺は体を強張らせた。
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