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1-②
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あれは確か、暦では立春とは言いながらも寒さが堪えるの日だったはず…
授業の終わりを告げるチャイムが鳴り
すべての授業が終わり、部活に行く者、友達同士で遊ぶ為つるんで帰る者、各々行動をし始める
俺もその中の一人で、待ちに待ったマンガの発売日なのもあって、本屋に直行した後はゆっくり家でマンガを堪能しようと、そう思いながら
賑やかな廊下を歩いている時だった
「春日 旭(かすが あさひ)!!」
馬鹿でかい声で俺を呼ぶ方を振り向いて見ると
そこには佐久間 夏(さくま なつ)が立っていた
記憶の限り思い返しても、話した事など無い
つーか、接点も無い
でも、女子に人気のせいもあって噂には良く聞く
『佐久間くんカッコイイよね』
『佐久間の奴、また告白されてたぞ』
そんなのを耳にするのは日常茶飯事
それだけ佐久間の人気は凄まじく
でも耳にはするけど、俺には関係ない事で
誰が誰に告白とか興味無いし、カッコイイ男を見るより、可愛い女の子を見たいし
俺にとってはテスト範囲の方がよっぽど重要であって
そんな接点のまったくない奴が、俺に声を掛けて来たのに驚いたものの
「何?何か用?」
訝しながらも返事を返していた
あの時、なんでバカ親切に答えてしまったのかと後悔先に立たず
時間を戻せるものなら戻したい
佐久間がいるだけあって、ガヤガヤとあんなに賑わっていた廊下は、いつの間にか静まり返っていて
今度は俺達の成り行きを見守る生徒達の視線がうるさいほど
そして目の前には笑顔の佐久間
(な、なんだよ…俺、何かしたっけ?)
改めて見ると
これが同学年かよ
と、思わずにはいられないムカつくぐらい整った顔に、俺の平均身長を越えたバランスの良い体型
学校内で注目されるのも頷けた
だから、益々なんで俺が呼び止められたのか分からない
(な、なんで何にも言わないんだよ…)
ジッと俺を見て微動だにしない佐久間に、訳が分からなくて不安になる
そして、早くこのみんなから注目されている状況から逃げたかった俺は
痺れを切らし口を開こうとした時
「春日ッ好きです、付き合って下さいッ」
目を輝かせながら意気揚々に学校一モテ男は爆弾を投下してきた
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