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3-②
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「ひッ、ぎゃぁぁ、ど、どど、どさくさに紛れて何しやがる」
「痛ぁあああッ」
「こここ、こ、コイツまたキスしようとしてきたッ」
「キスの1回や2回でガタガタ言うのは男らしくないぞ、旭」
「1回もした事ねぇよ!」
「え!春日ちゃん、ファーストキスまだなの!ウソっ、マジ嬉しいんだけど。俺としよう、今しようッ」
俺のグーパンを顔面に受けても、なんら平気そうで変態がキャっキャっと嬉しそう
悦郎は『いーぞいーぞ』と囃し立て携帯を構えて、それに便乗するかのようにクラスの連中も後に続く
「くそ~っ俺が何をしたっていうんだよ、毎日、地道に真面目にコツコツコツコツ生きて来たのにッ」
「うひゃひゃ、旭戻って来~い。トリップするなぁ」
「あ〜〜悶えている春日も可愛いッ」
思いの丈を叫ぶぐらい、今の俺には許されてもいいはず
打ちひしがれ、また泣きそうになっている俺の後ろから…
「おい、夏お前はなぁ…待っていた奴置いて走って先に行くな馬鹿が」
低音ボイスが聞こえてきた
首を捻って見ると、佐久間を親しげに夏と呼ぶ奴がいて…
(怖っ!)
佐久間よりデカいくせにさらに髪を立たせている為か威圧感がハンパない
なにより目付きが鋭いせいで、近寄りがたい雰囲気が醸し出されている
「おっせーよ、冬也。春日ちゃ~ん、こいつ俺のダチで橘 冬也(たちばな とうや)。お前に合わせてちんたら歩いていたら、俺の愛する春日に会えない時間が増えていくだろーが」
ね~~っ、とこちらを向く佐久間は超笑顔
俺に同意を求められても頷ける訳もなく、反対に寒気すら覚える
「キモッ、怖ッ!俺は変態に割く時間は一分一秒たりともないし。だから即時即刻俺の視界から消えてくれって」
「照れちゃって!」
「照れてないっ!」
「くっ、……悪ぃ…くくくっ」
俺と佐久間のやり取りがツボに入ったのか、ふっと橘の顔が綻んだ
「いや、俺もコイツが変態だとそれはずっと思ってた。春日と意見が合うな」
お?
あれ?
微笑む橘は先程の印象ががらりと変わって、とても親しみやすい
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