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4-②
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「春日は俺のお嫁さんなんだから、えつろーくんでもダメだからっ!」
「ダァーッうぜぇっ、悦郎お前わざとだろ!!変態を煽るな」
「えー、心外だぁ。だったら旭、夏くんに作ってあげればいいじゃん」
「マジ!?俺ね、俺はね、蓋を開けたらご飯の所にピンクのハートで、その真ん中に海苔で『スキ』って文字がのってるのがいいッ」
ニヤニヤしながらこっちを見る悦郎に
手を上げて発言する佐久間は目を輝かせている
弁当を作る事にはそんな苦でもなく、手間じゃないとしてでも…
「絶対ヤダ」
なにが『ハート』に『スキ』だ
そんな弁当、お金を貰っても作りたくない
明らかに落胆を見せた佐久間に…
「じゃあ、夏くん。この弁当、食べる?ほら、冬也くんもどうぞ」
またしても悪魔が囁いた
「えっ、食べる!俺、卵焼き貰うね」
「え、ちょっおい…」
「春日、戴くな」
俺の静止の前に今度は橘にも弁当箱を差し出す悦郎に不安しかない
自分は美味しいとは思ってはいるけど、人が美味しいと思うかはそれぞれだし、ましてや悦郎以外の人に食べさせた事も無いから、かなりドキドキする
と…
「うまい…」
「うまっ!!」
「え?…本当か?」
「春日ちゃん、めちゃくちゃ美味いよこの卵焼き。ちょっと甘めなの俺好き!」
「ああ美味しいな、ハンバーグもこれ何か入ってるのか、春日?」
「うひゃッ、だろだろ?旭は何気に料理が上手いんだって。な、旭?」
「り、料理は好きだけど…そっか…」
美味いって言ってくれた
お世辞なくそう3人から言われ、さらには次のおかずに手を伸ばされ、それも美味いよと笑顔で連呼され
嬉しくてつい舞い上がってしまった俺は…
「え、えーと…その卵焼き出汁入れるからちょっと甘くなってて、あ、あと三つ葉があったら入れてみたんだけど、案外アクセントになってると思う…。
あとハンバーグには蓮根刻んで入れてあるから食感も良いかなぁって思って。で、な!1番美味く出来たのが豚の生姜焼きなんだけど、けっこう多めに生姜入れてるから、ご飯マジすすむからさ、食べてよッ!」
良い気になった
つい、おかずを指差しながら夢中になって話しを繰り広げていたらしく、顔を上げたらば呆気に取られた面々がこっちを見てて
で、一気に顔が熱くなった
「ギャン可愛ッ!!めちゃくちゃ可愛い可愛い可愛いぃいいいいっ。春日ちゃん顔真っ赤で可愛いすぎぃいいい」
「ぎゃあああ、変態抱きつくなっ」
「春日は料理男子か、今度は俺のも頼む」
「俺っちの弁当無くなっちゃったから、旭の弁当貰うな〜」
「ちょっ、お前ら助けろよぉおおお」
顔を押し退けてもモノともしない佐久間に横から抱きつかれ
そんな俺を他所に、バクバクと弁当を食い散らかす悦郎と橘に
怒りと空腹で腹が盛大な音を立てた
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