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5-②
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「佐久間…お前、風呂でも入った?」
佐久間の暴蹴によりあらぬ方向へ飛んでったボールを自ら探しに行かせた所のあの雨で
皆んなが皆んな、口を揃えてそう言うのも無理は無い
それぐらい佐久間は余りにも見るも無惨で
服を着たまま、風呂に入りましたというくらいに酷い有様
「うわぁ、パンツまでグショグショ…」
だが、当の本人はあまり気にした様子もなく、Tシャツを絞り、髪を掻き上げる
案の定、女子からキャーと黄色い悲鳴が沸き立ち
様になっていたその仕種に一瞬魅入ってしまった自分にも腹が立つ
と、ブルリと体が震えた
濡れた体のままはさすがに冷える
さっさと着替えしに行かないと、と思った矢先
その寒さは鼻を刺激して
「ハッ…くしゅん」
「あっ、春日ぁ!」
「げっ」
クシャミに反応した佐久間と視線が合った
一瞬にして笑顔になった佐久間が向かって来て身構えたが、いつもとは違って俺の目の前でピタッと止まる
四六時中、俺に触ろうとしたり、隙あらば抱き着こうとしたりと、周りなんて気にしないセクハラ行為を繰り返して来たのに
固まっている
でも…
(なんだ、この鳥肌…)
なにもされていないはずなのに
ねっとり絡みつくような視線にゾワゾワしてたまらない
口元に手を当て一時停止をしたように動かなくなった佐久間
ただその目はジッと俺を凝視続けている
(なんか嫌な予感しかしない…)
とにかく無視して教室に再度向かおうとした時
ガシッと手首を掴まれた
「うわっ、え?ちょっ、お、おい?」
「ヤバッ、エロッ、鼻血でそ!何誘ってるんの春日ちゃん、色気出しまくりで透けたTシャツから乳首見えちゃってるんですけど」
「ひっ、キ、キモいぃぃぃ」
「張り付いたTシャツで体のラインバッチリ浮き出て、乳首も鎖骨もお尻も艶かしい‥‥エッッッロ」
ヤバすぎる思考回路に恐怖を抱き、すかさず手刀でもって変態の掴んできた手を撃破
するも、気にしてない佐久間は手をワキワキさせながら近づいてくる
「摘むだけだから、ね?」
「ね?じゃねぇわッ。それだけで終わる気がしないっ」
「咥えてもいいの!?」
「ぐわぁああ、鳥肌止まらねぇぇぇぇ」
「え?風邪引いたら大変!俺が人肌で暖めてあげる!!」
怖い
怖すぎる
何を思ったか濡れたTシャツを脱ぎ捨て、両手を広げさらににじり寄ってくる
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