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6-⑤
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なんとかしないとッ
と、普段使う事ない脳みその細部までフル活動させ脱出を考え始めた時
「あれ?春日ちゃん…勃ってる?」
「ッ!!!」
そう言われて、体が強張る
局部がスラックスを押し上げている状態でファスナーが下げづらくなっていればバレバレで、だからと言ってコイツには知られたくなかった
バレればどうなるかなんて…
「うわっ、嬉しすぎなんだけど!春日、気持ち良かった?耳、気持ちイイの?もしかして耳が性感帯とかだったり!?もっと弄って耳だけでイっちゃうように開発していい?俺の舌で春日が何度もイくとか想像しただけで滾ってくるわ!あ〜〜ヤバいッ…俺もイきそうッ」
一気に感情が昂った佐久間は、いつものごとくキモい妄想を浴びせてくる
今日はそれだけじゃなく、俺に覆いかぶさっている体勢を良い事に、さっきよりもギュッと抱きつき激しく下半身を擦り付けてきて、怒りがピークに達した
「〜〜ッおぉのぉ変態がぁぁぁぁッ」
恥ずかしさと怒りに身を任せ、力の限り手足をばたつかせ暴れる
痛てっ!と変態の声が聞こえたが、知ったこっちゃ無い
ガンッと右足が近くにあった棚に当たり、痛みを感じたけども、もう一度同じ所を蹴る
その瞬間
上の方から物音を耳にしたと感じた瞬間…
「えっ!痛ッ、う、グエッ……」
俺にもズンっとした圧迫感が一瞬あった後
カエルの潰れたような声が聞こえて、ズルリと俺に覆いかぶさっていた重さが消えていった
恐る恐る横を見ればノビている変態
さっきは落ちなかった備品が変態に直撃していて
助かった…と安堵したと同時に、早くこの場から逃げ出したくて
「~~ッそ、くそ、くっそーーー!」
自然と教室に向かって走っていた
怖かった
情けない
そしてなによりも佐久間の行為が嫌だと思いながらも、気持ち良かったのが悔しい
あと一歩遅かったら、ハッキリ言ってイかされてたかもしれない
頭の中はグルグルとさっきの出来事が反芻されて、軽いパニックを起こしていたんだろう
だから、すでに授業が始まっているのにも気が付かず
教室の扉を開けて
「遅いぞ、春日!って、お前……その格好…」
吉村の当惑した声に、騒ついた教室に改めて自分の格好を見て、顔から火が出た
埃まみれに加えて、ベルトが緩められているは、ファスナーが下され下着は見えてるは、インナーがだらし無く出てて
とにかくあられも無い格好で、ほとんどのクラスメートは佐久間と何かあったなんて一目瞭然で…
「〜〜ッ、気分悪い、帰る!」
もう悪態を吐くしかなかった
俺の反応に吉村が目を丸くしているのも、みんなの視線も気にもならなくて
カバンを取って壊れるんじゃないかというぐらい教室の扉を力いっぱい閉める
すぐさま教室からけたたましい喧騒が沸き起こったのを聞きながら、やるせない思いで家を目指した
次の日
土下座する佐久間には、俺に対する1ヶ月の接近禁止命令が出ていて
幸か不幸か
しばらくの間、平穏な日々が待っていた
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