アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
14話
-
たくさんの視線に囲まれるのは、得意じゃない。
誰だって人からジロジロ見られるのは得意じゃないだろうけど、僕は人一倍それが苦手だ。
「 ……トイレ、行くだけだよ。」
逃げるように教室を出て、少し離れたトイレへ向かう。
心臓は痛いくらい跳ねている。
それが緊張や嫌悪感から来ているのは、すぐにわかった。
個室に入り、息を整えるようにゆっくり深呼吸。
瞼を閉じて直ぐに思い浮かんだのは、成田くんの笑顔。
そういえば、さっきクラスメイトに囲われてた時は笑ってなかったような。
気のせいなのか、機嫌が悪かったのか。
どちらにせよ、深呼吸をして手洗い場で顔を洗っても、あの柔らかい笑顔が瞼の裏から離れることはなかった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
15 / 25