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レオの言葉と疑念
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唐突に投げられたその爆弾発言に、俺は一瞬固まってから、レオから慌てて飛び退いて離れる。
当の本人はニコニコと笑みを浮かべたままだった。
「は? え? い、いや……えと……っ、ななな、なんでっ、そういう話になるっ!」
「どうした、荒玖?」
そんな俺の行動に渚が訝しむような目を向けてきた。
(うぅ……視線が痛い……)
その視線から逃れるように俺は顔を背けた。
「あはは、スザクって反応がいちいちかわいいね」
「ふざけるなよ……かわいくない……」
小さく悪態をつきながらも心の中では叫びたい衝動に駆られていた。
自分でもわかりやすい行動をしてしまっていたので、バレるだろうなという自覚はあったが、実際、指摘されると恥ずかしくて仕方ない。
しかしあの時はどうしても我慢が出来なかったのだ。
今思い出しても腹の奥底がムカムカして、黒い靄がかかったように気持ちが乱れる。
そんな俺を尻目にレオは渚に視線を向けて口を開いた。
「ナギサ、いい子でかわいいもんね。俺もああいう子、好みだよ」
「……手ぇ出したら殺すからな」
レオを睨みつけながら圧をかけるが、そんな俺の牽制にもレオは特に動じた様子はなく笑顔でサラリと流されてしまった。
しかし……レオの言葉は特に偏見など感じられず、むしろ、俺の渚を想う気持ちをあっさり受け入れているようで少し拍子抜けした。
もっとおかしいとか気持ち悪いとか言われるかと思っていたので、その態度に若干違和感を感じてしまう。
「……まさかな」
俺はその違和感の原因を考えて、何となく浮かんだ可能性に首を振って否定した。
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