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LPの回復方法
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「……聞こえてる」
先程の言葉を頭の中で咀嚼しながらも、まだ理解が追いつかず、何とかその一言だけを絞り出す。
「そーかそーか。で、セックスすれば回復できるぞ」
「何度も言うなっ! 聞こえてる! てか、なんなんだよっ! この世界のセ、セセ、セッ、クスってのはキスとかかっ!?」
「いいや、人間のする生殖行為のことだぞっ」
俺の言葉にリルがドヤ顔で答えた。
「そーだよなぁ!? それしかないよな!? て、違うっ!!」
頭の中が混乱して、いつもの冷静さが完全に頭から抜け落ちていた。
(はい!? なんなんだこの展開は!?)
「荒玖、落ち着けって。てか、これは落ち着くべきなのかっ? 明日には世界が滅ぶのかなっ? それとも空から甘味が降ってくるのかなっ?」
「渚も落ち着こうか。言ってることが支離滅裂になっていってるぞ」
あわあわと慌てながら意味がわからないことを言い出す渚に、冬季が冷静にツッコミを入れているが、多分聞こえていないだろう。
「冬季っ! どういうことだよ!? 真面目に言ってんのか!?」
「そうだな。真面目に言ってる。つか、それしか回復する方法はない」
「嘘だろっ……!?」
「いや、事実だ」
「真面目に返してくるなよっ……!」
俺の問いかけの一つ一つに、冬季が茶化すでもおどけるでもなく真顔で言葉を返してくる。
その表情があまりにも真剣すぎて俺は愕然とした。
「……それしか、ないのか……?」
「それしかない。後、もう一つ大事なことがある」
改まった物言いに、息をするのも忘れて冬季を見つめる。
「女性にはLP概念がない。LPの概念がないということは魔法が使えない。LP制度の範囲外にいるってことだ。イコール女性とセックスしてもLPは回復しない」
「…………は?」
追い打ちをかけるようにわけのわからないことを言い出す冬季につい間の抜けた声が出てしまう。
渚もただただ口をぽかんと開けて固まっていた。
「えっと……セックス、しないと回復しないんだよな? なのに女性とそういう行為をしても回復しないって……じゃあ、誰と…………ぁ……」
そこまで言葉にして冬季とレオが恋人同士ということを、何故かこの最悪のタイミングで思い出してしまう。
つまりは……そういうことで……。
「うん。荒玖が想像する通りだ。男同士でするってことだよ」
「…………」
今度こそ何も言い返せなかった。
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