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君と迎える朝。 3
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「あ……えっとっ、ごめん……。その……歩くことは出来るのか……?」
「なんとか……。昨日、なんかベトベトするの使ってくれただろ? それのおかげかも……」
俺から視線をそらしながら頬を染める渚に、不覚にも可愛いと思ってしまう。
なんでそんな表情(かお)するんだよ……っ!
なんなんだ……っ!? 誘ってんのか!?
「その……荒玖は、大丈夫か?」
「あー……俺は……ただ気持ちよかっただけだからな」
「そ、うなんだ……気持ち、よかったんだ……」
「〜〜っ!」
俺たちはなんの会話をしているんだろうか。
「……えっと……その……俺も、気持ち、良かったよ……?」
上目遣いで頬を染め小さな声でそうカミングアウトしてくる渚に、俺の脳内思考が完全にシャットアウトした。
「――――」
こいつはいつもいつもなんでこんな爆弾発言を投げつけてくるのか……。
どう考えても誘ってるとしか思えないんだが……っ!?
それとも、俺のこと煽ってんのか!?
どこまで耐えられるかって忍耐ゲームしてんのかっ!?
「そ、そうだっ! 本当に回復したのか冬季さんに確認しに行ってみないかっ?」
渚が苦し紛れにでもそう話を逸らしてくれたことで、息の詰まりそうな空気が少し和らいだ。
「そうだな……。多分ガイドセンターにいるだろうから行ってみようか。その前に、渚」
俺は冷蔵庫の中に入っていたサンドイッチを渚に手渡す。
昨日、飛ばされてきた時からレオからもらったコーンスープ以外なにも食べていなかったので、流石にお腹が空いて気持ち悪くなっていた。
「ありがと……」
サンドイッチを受け取ると封を開けてもふもふと美味しそうに頬張り始める。
その姿を横目で確認して、俺もサンドイッチを頂くことにした。
食べ終わってから歯磨きを終え、服を着替えてから宿を出る。
持ってきたものなんて冬季から受け取った服とボトル、リルの出てきた箱のみなので荷物自体は少なかった。
これからここでどうやって生活していけばいいのかも今はまだわからない。
どのみち、その辺りも冬季かリルに聞いてみる必要があるだろう。
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