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冷たい態度
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俺たちは男性と一緒に応接室なる部屋へ行くと近くにあった椅子に座った。
男性は部屋に設けられていた小型のキッチンで何やらゴソゴソしており、しばらく待つとお盆を片手に持って戻ってきた。
「コーヒーは飲める? ていっても作っちゃったけど」
お盆にはコーヒーが三つとミルクとシロップの入ったかごが乗っていた。
「大丈夫です。俺もこいつも苦手じゃないんで」
手渡されたコーヒーを受け取って渚の前に一つ置いてやる。
俺は基本的にはブラックで飲むタイプでミルクもシロップも入れたことはない。
ただ、コーヒー自体をあまり飲まないのもあり、久しぶりに口にしたブラックコーヒーは少し苦く感じた。
渚も甘いものを食べる割にはブラックタイプなので問題はないだろう。
「君たち、異世界人でトウリと知り合いってことはファームは提供されているんだよね?」
「ファーム……リルのことですか?」
レオがリルのことをファームという妖精だと言っていたのを思い出す。
そういえば、見てないな。
「そうそう。リルだけじゃないけど。てことはトウリに聞くことはないんじゃないかな?」
「いや……聞きたいこともあるんですけど、リルはいないですし、冬季にも世話になったのでお礼もしたいと思いまして」
男性は「ふーん?」と素っ気ない返事をしながらコーヒーを口に含んだ。
なんだか非常に話しにくい相手だ。
最初はフレンドリーに話しかけてきたかと思えば、急に興味が失せたように態度が希薄になっていて、どう対応したらいいのかわからない。
「あのー……」
そんな少し重い空気に渚の声が割って入る。
「うん? 何かな?」
男性は先程までと違って急に最初に会ったときと同じくらいの清々しい笑顔に戻った。
(なんでだよ……)
気づかぬ間に俺は何か気に障ることでもしてしまったのだろうか。
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