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違和感
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その後、折り返しの連絡があり、俺たちは最初に通された部屋へ来るように言われて、そちらへ向かうことになった。
先程のことで何度も平謝りする冬季の後ろで、楽しそうに笑っていたレオを見て何があったのか大体予想がついてしまい、なんだかこちらの方が申し訳なくなってしまった。
部屋の前へ到着すると扉をノックする。
中から返事が返ってきて、俺は少し遠慮気味にドアを開けて中へ足を踏み入れた。
冬季は真ん中の席でちょこんと小さくなりながら座っており、その背中にどんよりとした影を背負っている。
気の毒になるほどの落ち込みように何故か罪悪感を感じてしまったが、ひとまず最初の時と同じ椅子に腰を下ろした。
全員が席についたのを見計らってレオがお茶を用意してくれる。
「うぅ……本当にすまない……」
「気にしないでくださいっ! 俺たちも急に来てしまってすみませんっ」
真っ赤になりながら謝る冬季に、渚が手をふるふると振って慌てて謝り返す。
そんな二人を横目に、お茶の入ったコップに口をつけるハルを改めてじっと見つめた。
ハル、と呼ばれていたが実際名前がなんと言うのかは聞いていない。
「あの、ハルさんでしたっけ? 名前、ちゃんと聞いてもいいですか?」
俺がそう問いかけるとハルは面白くなさそうに眉をひそめた。
「普通は自分から名乗るものじゃない?」
声の温度が明らかに低い。
なんでこんなに塩対応をされているのか自分でも身に覚えがなく困惑してしまう。
「あの……俺、何かしましたか?」
心当たりが全く思い当たらず本人に聞いてみるが、特にそれに対する返事もなかった。
「えっと、俺も知りたいです。ハルさんって呼ばれていたのは知ってるんですけど、フルネームは知らないですし」
「まぁ、どうしてもっていうなら教えてあげるよ」
ハルは得意げにドヤ顔をして渚に笑いかけた。
あれ?
なんか、心当たりがあるように感じるんだが……まさか……。
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