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揺れ動く想い
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だけれど、俺の心はずっとモヤモヤしたままだった。
提案しなければ、渚と少しでも多く、体を重ねられるのではないか。
そんな欲に駆られる。
こんな考え方は、自分勝手で俺の欲を押し付けているに過ぎない。
それならちゃんと提案して少しでもしなくていいようにするのが、普通の考え方だ。
でも、それが出来れば苦労はしない。
俺と渚は同性同士だからこんな言い訳でもないと、触れ合える機会なんて一生来ない。
そんな邪な考えが、浮かんでは理性のある自分がダメだと警鐘を鳴らす。
どのみち一応確認するに越したことはないので、俺は隣で少し思いつめたような顔をして考え事をしている渚に声をかけた。
「渚、お前も一応確認しておいた方がいい」
「え? あ、あぁ、確かにそうだよな」
急に話しかけられて我に返ったのか、渚はきょとんとした顔をしてから頷いた。
(そういえば……こいつはバカじゃないし、むしろ俺よりも頭がいいのだから、俺が気づいたことなんて気づいているんじゃないか……?)
話しかける前の思いつめたような表情は、それのことなのだろうか。
そんな疑念が頭を過ぎってしまい、心に焦りを覚える。
それを提案されてしまったら……どう、答えるべきなんだろうか、と。
そんな俺の気持ちなど知る由もない渚は、宙を指で叩いて電子パネルを起動させた。
同じように登録情報を入力してホーム画面へと移動する。
「あれ……おかしい……」
だが、どこか切羽詰まったような声が隣から聞こえて、俺は俯いていた顔をあげて渚の方を見る。
「どうした?」
「その……俺の残量、7しかないんだ」
「え?」
確か俺と渚はあの行為以降、LPを使うようなことはしていないはず。
なのに、渚のLP残量は9ではなく7。
リルにLPを分けたとしても8になるはずなのに。
確かにおかしかった。
それとも何か分け与える以外に使うようなことをしてしまったのだろうか。
「リル、どういうことなんだ?」
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