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美晴への嫉妬
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「そうだな。今からちょっくら。後、街で遊んでこようかと思ってるよ。二人も行くか?」
「行かない。これから夕飯作ってゆっくりするつもりだから」
俺は美晴の誘いに素っ気なく返事をして今度こそ扉の鍵を開けると、渚の手にぶら下がっていた買い物袋を奪い取ってからその手を掴んで中に引っ張った。
「ごめん、美晴。そういうことだから、また誘ってくれると助かる」
「おうよ。二人とも仲良くしろよー」
美晴の声を背に扉を閉めて、鍵を掛ける。
もともと最初は一つずつ部屋を用意されていたのだが、どうせ親友だし家賃を抑えるためにもと二人で一つの部屋を借りているのだ。
俺は靴を脱いでから部屋に入ると、上から羽織っていたパーカーをソファの隅においてキッチンへ向かった。
そのまま無言で冷蔵庫の扉を開けて買い物袋の中身を中に入れていく。
そんな俺に渚は手を洗いながら呆れたように話しかけてきた。
「荒玖、あの態度は良くない。荒玖って昔からちょっと素っ気ないところあるけど、もう少し人とコミュニケーション取った方がいいぞ?」
「はいはい」
「はいは一回!」
おかんかよと言い返そうかとも思ったが、話が長引くと嫌なので沈黙を決め込んだ。
渚はそんな俺にため息をついてからうがいをしてソファに座ると、机においてあった冊子をパラパラと捲る。
俺も冷蔵庫の中に食材を入れ終えてから、手を洗って軽くうがいをして渚の隣に腰を下ろした。
冊子の中にはギルド依頼についての特集が載っており、俺と渚は毎日ガイドセンターから冊子を送ってもらってどんな依頼があるのか確認している。
そこから出来そうなものをギルドセンターに行って受けてくるのだ。
こういうところは意外と発展してないようで、わざわざ紙というのがなんとも古風に感じた。
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