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キミの言葉
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「渚、そういえば……その……そろそろLPヤバいんじゃないか?」
冊子の中身に視線を向けたまま渚にそう問いかけると、視線を向けなくてもソファの振動でわかるほどにビクッと体を大きく跳ねさせた。
「そ、れは……やばいけど……」
「……今、美晴もいないからこの寮には俺たちだけだし、渚も抵抗ないんじゃないかって、思うんだが……」
自分で言っていて何を口にしているのかわからなくなってくる。
先程の美晴に対して向ける渚の笑顔を思い出して、無性に独り占めしたい衝動に駆られてしまっていた。
「そう、だな……うん……確かに」
「…………」
俺たちの間に緊張した空気が張り詰めどんどん口数が少なくなる。
仕舞いには居心地の悪い空気になってきてしまい、俺は耐えきれず慌てて口を開いた。
「えっと、嫌なら言ってくれたらやらないから……渚が嫌がることはしたくないし」
「そんなことない……っ!」
俺の言葉に渚は俯けていた顔を勢いよく上げてこちらに身を乗り出してきた。
紅潮した顔は不安そうで。
それでも、俺の目から視線は逸らさずに、ガラスのように透き通った蒼い瞳で真っ直ぐ見据えてくる。
「嫌じゃないから……して、ほしい……」
その言葉は、どういう意味なのだろうか。
本当にLPの回復のためなのだろうか。
俺の頭の中でそんな疑問が浮かんでは消える。
「……わかった。じゃあ、渚、ベッドに行こう。ここじゃ身体痛めるから」
俺は緊張で強張っている渚の背中に手を回し、膝の下に腕を通してその細い体を抱き上げた。
……想像以上に軽かった。
「わわっ! ちょっと、なんで、姫抱っこ……っ」
慌てる渚にチラリと視線だけ投げてから、こういう時くらいしかこんなこと出来ないだろうなと、全く状況にそぐわないことを頭の中では考えていた。
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