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フィーネのおとぎ話
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そのあと、夕食を終えてからいつものように風呂に交代で入る。
先に渚に入ってもらって、その間に俺は机を拭いたり茶碗を洗ったりと家事をしながら時間を潰していた。
このあとのことを考えただけでそわそわして、動いていないと落ち着かなくなってしまうのだ。
それでもやること自体は少なく、部屋の片付けをしようにも、いつも渚がキレイにしてくれているおかげか物が散乱していたりすることもなく、直ぐやることがなくなってしまう。
仕方なく今日借りてきた本を鞄の中から取り出した。
改めて表紙を見てみると著作者の名前は書かれておらず、奥付を見ても編集者や本を発行した発行人、印刷会社、印刷回数を示す版なども特に記載されていなかった。
「……変な本だな」
とりあえず、読みかけていたところから続きを読み進めていく。
LPについてのさらっとした説明の他に、フィーネの土地のことについても書かれていた。
と言っても、なにか関わりがあるようなことではなく、昔はここの場所にこんな建物があったなどの豆知識のようなものばかり。
昔の歴史とあったので、まぁそんな内容になるだろうなとは思っていたが収穫はなさそうな感じだった。
が、次のページでは急に文体が変わり、太字の明朝体で『フィーネのおとぎ話』と印刷された文字が目に入る。
「おとぎ話……?」
その後に続く文章はこう記されていた。
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