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好きという気持ち
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「本当に、夢じゃないんだよな……。ちゃんと俺、荒玖の恋人、だよな……?」
「当たり前だろ。もし、これが全部夢でしたって言われたら、俺は現実の渚にもう一度告白するつもりでいるから安心しろ」
「……うん。俺も……もう一度、告白する」
腕の中で身動ぎした渚が、顔を上げてふわりと微笑む。
その笑顔は俺にはやっぱり何よりも大切で失くしたくないもので。
笑っていてほしい。
ずっと隣にいて欲しい。
先程見た夢のような――渚のいない世界なんて、考えたくない。
そんな世界ならいっそ死んでしまった方が幸せだ。
この気持ちが依存だというのなら、もう依存でもいい。
世界の終点になんて辿り着けなくてもこの腕の中にある温もりさえ失わなければ、今のままでいい。
(愛か依存かなんてそんなのわからない。それでも渚を好きな気持ちだけは嘘じゃないんだ……)
そんな溢れんばかりの想いを押し込めるように肩口に顔をうずめた。
「……荒玖、寝ようか」
暫くしてやっと落ち着いたのか、渚が俺の胸を押して離れるともそもそと布団の中に潜り込み、服の裾を引っ張ってきた。
「そうだな」
それに小さく頷き返してから俺も布団に潜り込んで、一回り小さな手を握りしめる。
「荒玖に一つだけ、頼みたいことがあるんだけど……」
「頼みたいこと?」
そのまま眠るのかと思いきや渚は俺の顔を見つめたまま話を続けた。
「……俺と契約(ロスト)を、組んでほしいんだ……」
契約(ロスト)。
俺と渚が初めて体を重ねた次の日に冬季を訪ねた際、たまたま居合わせたハルとの会話で聞いた言葉だった。
契約(ロスト)を組むと組んだ相手としかLP回復が出来なくなるという、デメリットしか存在しないようなものだが、逆にいうと愛の契みたいなもののような気がしないでもない。
ただ、例外として許可を出せば一時的に無効に出来るということも冬李が言っていたのは覚えている。
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