アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
マヌルネコ
-
ユキの着替えを渡されると、低い声で忠告された。
「ユキに変なことをするなよ」
「し、しませんっ! その、そういう趣味は、ありませんから」
「どうだか。オメガは信用ならないからな」
「……そこまで言うのなら、側で見ていたらどうですか」
何馬鹿なことを言っているんだ、と、目が語っている。
家主につい噛みつくようなことを言ってしまい、千歳は激しく後悔する。
今、自分の居住食は全て、この男の機嫌の上に成り立っているのだから。
「見ていたら、だと? 俺にそんな暇な時間はない。……自分が何を言っているのか、分かってるのか」
レグルシュは踵を返し、夕食の片付けを始める。
まだ何か言いたそうにしていた男の背中に、千歳は小さな声で謝罪した。
相変わらず返事がない。
浴室にだっだっと走っていったユキを追いかけて、千歳も小走りで後をついていく。
カラスの行水のごとく、ユキは五秒で髪と身体を洗うと、湯船に浸かろうとする。
千歳は慌てて止めた。
「まだ綺麗になってないよ」
「えー。レグのときは、いっつもこんなだよ?」
「えぇ」
さすがにそれは誇張し過ぎなのでは。
千歳はユキを前に座らせて、シャンプーをもこもこと泡立てる。
「こうやって洗うんだよ」
「えー。ユキ一人じゃできない!」
「一人で出来るようになろうね」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
31 / 246