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マヌルネコ
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宇野木は甘栗色の髪を一房摘まむ仕草をしながら、話を続ける。
「バイトで雇っている子二人が大学四年生でね。新しい子を入れなきゃーとは思っていたんだけど。張り紙だけじゃなかなか集まらなくて」
「僕は二十五で接客系は未経験なのですが……大丈夫でしょうか?」
千歳の正直な告白に、宇野木は笑った。
「和泉さんって馬鹿正直だよね。あ、もちろんいい意味で! アルバイトごときで海外留学とかサークルリーダーとか。何でもかんでも脚色する意識高い系にも聞かせてやりたいよ」
ひとしきり笑うと、宇野木はレグルシュに「ねぇ」と声をかける。
「世間話はいい。で、どうなんだ。雇うのか雇わないのか」
「俺は大賛成。店は和泉さん一人に任せることはないし」
時給は千百円。
千歳がオメガであることも考慮してくれ、休暇の日数も多めに取ってくれていい、と承諾してくれた。
飲食バイトより時給はいいし、何より宇野木の人柄に安心出来る。
さらに千歳が簿記資格を持っていると申告すると、宇野木に「絶対うちに来て!」と念押しされた。
「帳簿も任せていいかな? 経理関係もざっくりでいいから見てもらいたい」
「はい、もちろんです」
宇野木は履歴書を見て感嘆する。
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