アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
La・Ruche
-
それからというもの、ユキは画用紙に描いた絵を千歳にプレゼントしてくれるようになったのだ。
もちろんそれらは捨てたりせずに、一枚一枚をファイリングしている。
「あの汚らしいぬいぐるみ。お前が直してくれたんだろう」
「汚らしいって。レグルシュさんがプレゼントしたものでしょう。……素人が、直してはいけなかったでしょうか?」
「いや。感謝してる。ぼろぼろでみすぼらしいから、俺が捨てろと言っても聞かなかったからな。あいつの機嫌がいいなら、それでいい」
レグルシュの言葉にほっとする。
ユキは喜んでくれたが、レグルシュはもしかしたら快く思っていないかもと、心に引っかかっていたからだ。
「……物乞いをしているなんて言って、悪かったな」
何に対しての謝罪なのか、千歳は数秒考えた。
ああ、初めてユキとレグルシュに救われた夜の日のことだ。
レグルシュは千歳の顔を見ずに、視線を下に落としている。
「いいえ。家の前で横になっていたら、誰だって不審者だと思います。警察に突き出さないでくれて、ありがとうございました」
「どうしてそこで礼を言うんだ。普通は怒るだろうが。おかしなやつだな」
何故かレグルシュのほうが尖った口調になり、千歳はついおかしくて笑ってしまう。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
56 / 246