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La・Ruche
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自己中心的な態度や言動は、歳を取ればいずれは変わるのだと信じていたが。
──拓海はアルファで経営者だし。オメガの僕とは考え方が違うのかも。
問い詰めると言い淀むところも怪しく、千歳は彼の全てを信用しきれていない。
あの日、抑制剤を服用していたのでオメガのフェロモンが漏れていたとは考えにくいし、痴漢はあんな人の目のある場所で、犯行に及ぶだろうか。
何か仕組まれているような気がしてならない。
証拠の写真は拓海が持っている以上、千歳からは何も言えない。
ユキとレグルシュが待っている家へ早く帰ろう。
ティースタンドが立ち並ぶ華やかな通りには目もくれず、千歳は駅の方へと歩き出した。
「お前……ユキをうちに置いていって三ヶ月になるんだぞ。ユキがかわいそうだ。早く引き取りに来い!」
「分かってるわよ! あんたに言われなくてもっ!」
──え? レグルシュさん……?
美男美女の激しい言い争いは、道行く人々の視線を一手に集めていた。
レグルシュの声とユキという名前に、千歳は立ち止まる。
レグルシュの隣にいるのは、手足の長い外国人風の女性だ。
派手な赤いシャツに細身のジーンズを履いた女性は、あのレグルシュに劣らないくらいの気迫を纏っている。
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