アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
La・Ruche
-
「オメガの旦那なんて持つからこんなことになるんだ。俺は反対したのに。どうせ今頃、運命の番とやらと一緒になってるぞ。自分の子供を捨ててな」
「そんなことする訳ないじゃない! あんたは子供がいないからそういうの……分からないんだろうけど。……ユキは、もうちょっと預かってて。お願い。旦那は絶対に見つけて連れ戻すから」
「……たまにはユキに会いに来い。お前に会いたがってるぞ」
「うん……ユキに言わないでくれてありがとね。近いうちに、絶対会いに行くから」
──もしかして、あの人が……ユキくんのお母さん?
ウェーブのかかった髪が、あの天使のようにくるくるした巻毛の頭と重なる。
ユキがずっと会いたいと願っていた母親は、道の脇に停めてあった車に乗ると、すぐにその場を離れた。
見てはいけないようなものを見た気がして、千歳はすぐに物陰へと隠れた。
帰り道、レグルシュと女性のやり取りを思い出していた。
ユキはレグルシュの実子ではなく、ママがいてパパはどこにいるのか分からなくて……。
千歳が出掛けていて、レグルシュも家を空けているということは、ユキは今一人ぼっちなのだろうか。早く帰らないといけない。
息を切らした千歳が玄関を開けると、涙目になったユキが突進してきた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
64 / 246